19世紀に貯水池に消えた英ウェールズの村、干ばつで姿を現す

貯水池に沈んだ村の遺跡が姿を現した/Phil Blagg Photography

2022.08.17 Wed posted at 15:30 JST

ロンドン(CNN) 伝説の島「アトランティス」と違って、水中に沈んでいた19世紀の英国ウェールズのとある村の遺跡が干ばつによって姿を現した。

ウェールズ・ポーイスにあるビルンウィ湖の水位が下がり、ランウッディーン村の遺跡が出現した。

ランウッディーン村の遺跡が最後に目にされたのは1976年の干ばつ時だったと地元メディアは報じている。

英国ではここ数週間、全土で記録的な高温が続き、多くの河川や貯水池と同様にビルンウィ湖の水位も下がった。

英気象庁によると、先月18日にフリントシャー郡の北東部でウェールズの過去最高となる気温が観測され、ビルンウィ湖から約72キロの地点では気温が37.1度に達したという。

写真家のフィル・ブラッグ氏がCNNに語ったところによると、村の一部は1週間前から現れ始めた。ウェールズ中央部に28年間住み、何度も同湖を訪れている同氏は雨が降る直前まで待ち、ビルンウィ湖の水が最も少なくなった13日に廃虚を撮影した。

遺跡の道路や家屋も残っている

「一番驚いたのは村の小川にかかる道路の橋だ。(1800年代には)水没していたが140年経った今、ほぼ当時のままの姿を再び見ることができる」とブラッグ氏は述べた。

「木の切り株が並んでおり、道路がはっきりわかる。門柱も残っていて、家や村の塀の一部もある」と説明した。

ビルンウィ湖はイングランド北部の都市リバプールに淡水を供給するため、10年の歳月をかけて建設された。1891年の完成当時、欧州最大の人工貯水池だった。

川の流れを制限するダム建設のためにビルンウィ川の渓谷が閉鎖された際、教会の墓地なども含めランウッディーン村は移転させられ、村は水没した。

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