ジョギング中の黒人男性射殺、憎悪犯罪で白人親子に終身刑 米

父親と共に終身刑を言い渡されたトラビス・マクマイケル被告/Octavio Jones/Pool/Getty Images/FILE

2022.08.09 Tue posted at 10:55 JST

(CNN) 2020年に米ジョージア州ブランズウィック近郊でジョギング中の黒人男性アマド・オーブリーさん(当時25)が殺害された事件で、連邦地裁は8日、憎悪犯罪で有罪評決を受けた白人親子のグレゴリー・マクマイケル、トラビス・マクマイケル両被告に終身刑を言い渡した。

殺害に関与した近隣住民のウィリアム・ブライアン・ジュニア被告にも禁錮35年を下した。同被告の刑は州裁判所の量刑と同時に執行されることになる。

被告3人全員が既に州裁判所で殺人罪などで終身刑の判決を受け、服役している。

判決前にはオーブリーさんの母親ワンダ・クーバージョーンズさんが「息子は1度や2度ではなく3度撃たれた」と述べ、量刑ガイドラインに沿った最も重い刑罰を希望すると判事に伝えていた。

本裁判の陪審団は今年2月、被告はオーブリーさんに対する人種的敵意から犯行に及んだとの検察側の主張を認め、有罪評決を下した。トラビス被告はレミントン社製の散弾銃、グレゴリー被告はマグナムリボルバーの使用と携帯で有罪となった。

トラビス、グレゴリー両被告には誘拐未遂の罪で禁錮20年も言い渡された。これは州の量刑と同時に執行される。

2020年2月23日、ジョギング中に殺害されたアマド・オーブリーさん

武器関連の罪ではトラビス被告に10年、グレゴリー被告に7年が追加で言い渡された。両被告には罰金を支払う資力がないとも認定された。

グレゴリー被告は判決前、オーブリーさんの遺族に「みなさんが耐えている喪失は言い表すことができない。言葉も見つからない」と述べた。妻や息子のトラビス被告にも謝罪を口にし、「彼をこんな状況に置くべきではなかった」と述べた。

クーパージョーンズさんはグレゴリー被告について「彼が謝罪しても息子は戻ってこないが、この謝罪は受け入れる」と述べた。

検察や遺族によると、オーブリーさんは20年2月23日、ジョギング中に被告らに追いかけられ殺害された。

被告の弁護士はオーブリーさんが建設中の住宅の監視カメラに録画された人物に特徴が似ているとマクマイケル親子が考え、治安を守るためにピックアップで追いかけて止めようとしたと主張。トラビス被告がオーブリーさんを撃ったのは、被告の散弾銃をめぐってもみ合いになり、自己防衛のためだったと述べた。ブライアン被告はマクマイケル親子がオーブリーさんを追いかけているのを見て、自分のトラックで追走した。

事件は当初、検事2人が地元警察に逮捕をしないように指示し、2カ月以上被告らの身柄は拘束されなかった。その後殺害に至るまでの様子を撮影したブライアン被告の映像が明るみに出て、全米から非難が殺到する事態となっていた。

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