ソウル(CNN) 韓国初の国産月探査機が4日朝、米フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍施設から無事打ち上げられた。
探査機「タヌリ」は米宇宙企業スペースXのファルコン9ロケットに載せて打ち上げられ、ロケットからの分離にも成功した。タヌリとは韓国語で「月を楽しむ」という意味。
タヌリは韓国航空宇宙研究院(KARI)が開発した重さ678キロの月周回探査機で、国産装置を含む6つの搭載物を載せている。
今年12月に月の周回軌道に入り、1年間の探査ミッションを行う。韓国の科学技術情報通信省によれば、将来の月探査計画における着陸候補地の探索、月環境の科学研究、宇宙でのインターネット技術の試験を行う予定だという。
これに成功すれば、韓国は世界で7番目、アジアで4番目の月探査実施国となる。アジアでは他に中国、日本、インドが成功している。
韓国は最近宇宙計画を加速させていて、2030年までに月探査装置を送り込む目標を掲げる。今年6月には国産ロケット「ヌリ」が衛星の軌道投入に成功した。
一方で、ロケット発射は朝鮮半島では扱いの難しい問題で、北朝鮮が核弾頭搭載の弾道ミサイル計画で国際的な制裁を科されている。
北朝鮮は今年3月、宇宙計画を進めるためロケット発射場を拡張すると訴えたが、韓国と米国は新たな弾道ミサイル試験の隠れみのに過ぎないと批判している。
韓国は自国の宇宙計画について平和と科学が目的であり、偵察衛星などの宇宙技術の軍事利用があっても防衛目的だと主張している。