(CNN) 米有力ロビー団体、全米ライフル協会(NRA)の関連団体がテキサス州ホンド市の施設で6日に行う予定だった資金集めのイベントが中止になった。このイベントをめぐり、同州ユバルディの小学校で起きた銃乱射事件の犠牲者遺族らは、会場を貸し出さないよう市に訴えていた。
銃乱射事件の犠牲者の写真を掲げた傍聴者が見守る中、ホンド市議会は1日、4対1の賛成多数でNRA関連団体に施設を貸し出す契約の取り消しを決議した。
採決を前に、銃乱射事件で妹を亡くしたジャスミン・カザレスさんは議員に向かい、犠牲になった4年生の児童19人と教員2人の名前を1人ひとり読み上げた。カザレスさんは、イベントの主催団体がAR―15式ライフル銃が当たると宣伝していることにも言及した。
ユバルディの小学校の事件現場では、射殺された18歳の容疑者が所持していたAR―15式ライフル銃が見つかっていた。
カザレスさんは、「NRAに5000ドル寄付すればAR―15が当たるというのはあまりにひどい」と訴えた。
イベントを計画したのは「メディナ・エリア・フレンズ・オブ・NRA」という慈善団体。ホンド市に住むボランティアは1日、同団体はNRAの関連団体だが、NRAではなく別法人だと説明した。同団体は15年にわたり、毎年8月にイベントを開催しており、今回も3月から計画していたという。
パブリックコメントでは「ここは米国だ。なぜこんなことを話し合っているのかさえ理解できない。銃はなくならない」と発言した男性もいた。
しかしその発言は、ユバルディの事件で娘を亡くした父親のエンジェル・ガルザさんに遮られた。ガルザさんは「私たちがどんな思いをしているか、あなた方には分からない」と言って退席した。