死亡した乳児の身分を乗っ取る、なりすまし生活していた夫婦を起訴 米ハワイ州

グウィン・ダール・モリソン(左)とウォルター・グレン・プリムローズ(右)両被告/From DOJ

2022.08.03 Wed posted at 11:02 JST

(CNN) 米テキサス州で死亡した乳児の身分を乗っ取って数十年間生活していたとして、米ハワイ州に住む夫婦が起訴されたことが、このほど公開された連邦裁判所の記録から明らかになった。米政府に対する共謀の罪に問われている。

これによると、ハワイ州ホノルルの連邦大陪審はウォルター・グレン・プリムローズ、グウィン・ダール・モリソン両被告を共謀やなりすまし、パスポートの申請と使用に絡む虚偽記載の罪で起訴した。

プリムローズ、モリソン両被告は2日、米ハワイ州の連邦地裁で行われたビデオ審問で無罪を主張した。

宣誓供述書によると、両被告は1987年、米テキサス州に生まれた子どもの出生証明書を入手し、それぞれ「ボビー・エドワード・フォート」と「ジュリー・リン・モンタギュー」に違法になりすました。87年から完全になりすまし生活を送っていたという。

実際のフォート君は67年に生まれ、同年に窒息死してテキサス州に埋葬された。本物のモンタギューちゃんは68年に生まれて同年死亡し、フォート君の埋葬場所から約22キロ離れたテキサス州内の場所に埋葬されていた。

旧ソ連国家保安委員会(KGB)のジャケットを着たモリソン、プリムローズ両被告とみられる写真

連邦検察はまた、被告夫婦の保釈を防ぐための措置として、旧ソ連国家保安委員会(KGB)のジャケットに身を包んだプリムローズ、モリソン両被告とされる写真も法廷に提出した。

モリソン被告の弁護士はCNN提携局ハワイ・ニュース・ナウに対し、被告は今回の起訴に「ショックを受けて」おり、「彼女はロシアとは何の関係もない」と語った。

KGBのジャケットについては、夫婦の所有物ではなく、「友人の家にあったものを一度だけ試着して写真を撮影した」と説明。「彼女は米国で生まれ育った。自分がスパイではないと世界に知ってほしいと思っている」と述べた。

モリソン被告の親友は連邦当局に対し、被告は何年も前、まだ共産圏にあったルーマニアに住んでいたことがあると証言した。米国務省の調査では、海外渡航を可能にするモリソン被告名義のパスポートは発見できなかったという。

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