「世界唯一の炭素中立」宇宙船、最新版の予想図を公開

温室効果ガスの排出量をを実質ゼロとする「カーボンニュートラル」の宇宙船が公開された/Space Perspective

2022.07.29 Fri posted at 18:30 JST

(CNN) 世界でただひとつ、温室効果ガスの排出量をを実質ゼロとする「カーボンニュートラル(炭素中立)」の宇宙船として開発されている「スペースシップ・ネプチューン」の最新の完成予想図が、27日に公開された。

米フロリダ州の宇宙旅行会社スペース・パースペクティブは、気球型の宇宙船スペースシップ・ネプチューンで高度約30キロの成層圏まで往復する冒険旅行を企画している。

新たな予想図は、従来より球に近い形状。船内が広くなって頭上のスペースに余裕ができ、耐圧性が強化されてより安全になった。


滑らかな球形のデザイン従来より多くのヘッドルームが提供できる/Space Perspective

ぜいたくなスペース・ラウンジにはリクライニングチェアやムード照明、各種の酒を取りそろえたバーが完備される。

船内を快適な温度に保つよう、窓には宇宙服のヘルメットと同じ特殊なコーティングが施される。最新式の熱制御システムは特許申請中だ。

360度、見渡す限りの眺望が楽しめる大きな窓は特許取得済み。帰還後の着水を円滑にする円錐(えんすい)形の先端も特許申請中だという。


船内には品揃え豊富なバーがある/Space Perspective

船体のカプセルはクルーズ船の「大きなバルコニー付き客室」のサイズ。水素を充てんする気球部分は最大膨張時の体積が約50万立方メートルと、フットボール競技場がすっぽり入るほどの大きさになる。

飛行時間は6時間で、乗客は自由に歩き回ることができる

スペース・パースペクティブは2024年末までに、最大8人のグループを乗せた6時間のツアー催行を目指す。当初は24年初めにスタートする予定だったが延期された。


宇宙船は米フロリダ州にある米航空宇宙局(NASA)のケネディ宇宙センター近郊の製造施設で製造されている/Space Perspective

地球の重力圏からは飛び出さないため、乗客は特別な訓練を受ける必要がなく、飛行中もカプセル内を歩き回ることができる。搭乗時も旅客機並みの簡単な手続きで済むという。上昇と下降にそれぞれ2時間かかり、残る2時間は上空でゆっくりと景色を楽しむ。着水後は船で陸まで戻る。

船内は無線LAN(WiFi)がつながり、旅の様子を地上にストリーミング配信することもできる。


無線LAN(WiFi)がつながり、ストリーミング配信ができる/Space Perspective

チケットは1人12万5000ドル(約1700万円)と決して安くはないが、すでに900枚近くが売れ、現在は25年以降の予約を受け付けている。

前払いの1000ドルは全額返金可能、暗号通貨での支払いも受け付けるという。

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