(CNN) 英国やポルトガル、スペイン、フランスなどの西欧諸国は今週、記録的な熱波に見舞われると予想され、当局が厳重な警戒を呼び掛けている。
英気象庁は11日、イングランドとウェールズの大半で今週末にかけて厳しい暑さが続くとの見通しを示し、17日には極度の高温に備えるよう促す異例の警報を出した。
猛暑による健康への影響を想定した注意報も、ほぼ全国に発令されている。
英国で過去に観測された最高気温は38.7度だが、気象庁によるとこの記録は今週末までに更新される可能性がある。一部の地域では週末以降、最高気温が40度を超えるとの予報も出ている。
気象庁は、異常な暑さで国民全体の健康状態に悪影響が及び、重病や命の危険につながる恐れもあるとして警戒を呼び掛けた。高温で道路の表面が溶けたり、鉄道や空の便が遅れたりする事態も考えられるという。
熱波は英国を襲う前にポルトガルやスペインにも異常な暑さをもたらすとみられ、両国合わせて14の地域に最大限の高温警報が出ている。
ポルトガルの首都リスボンや中部サンタレン県では、13日にも気温が45度に達するとの見方もある。同県コルシェでは14日の最高気温が48度と、同国の観測史上最高を記録する可能性が指摘されている。
ポルトガル気象当局によると、国土の96%以上で「極度の」または「厳しい」干ばつが続き、山火事の脅威も強まっている。当局が9日に発表したところによると、これまでに国内で35件の山火事が発生し、29人が負傷した。
スペインの気象当局は11日、本土全体で少なくとも今週末まで猛暑が続くとの見通しを示した。
フランスでも週末まで30度台半ばの暑さが続く見通し。トゥールーズやボルドーを含む東部一帯に高温警報が出ている。
イタリアも多くの地方で猛暑が続く。北部ベローナでは15日までに最高気温が38度に達すると予想される。政府は先週、北部一帯が極度の干ばつ状態にあるとして、緊急事態宣言を出した。
欧州では今年、6月の平均気温が史上2番目の高さを記録したばかり。スペインやフランス、イタリアで1日の最高気温が40度を超え、干ばつも深刻化した。