(CNN) 混乱が続くスリランカで辞意を表明していたゴタバヤ・ラジャパクサ大統領が、正式辞任の数時間前、国外へ脱出した。同国高官が明らかにした。
同高官によると、ラジャパクサ大統領夫妻はスリランカ空軍の輸送機で出国し、モルディブの首都マレに向かった。
モルディブの管制塔は、モルディブ議会議長のモハメド・ナシード元大統領が介入するまで、同機の着陸を拒んでいた。
軍の高官によれば、ラジャパクサ大統領は11日、最大都市コロンボのバンダラナイケ国際空港で出国審査の行列に並ぶことを拒み、少なくとも2度にわたって出国を阻まれていた。
大統領の側近は同日、大統領一家のパスポート15通を持って空港に到着。一家は現地時間午後6時25分発のドバイ行きスリランカ航空便を予約していたという。
しかし出入国管理官は、大統領一家本人がその場にいないことを理由に、側近が提示したパスポートで手続きをすることを拒んだ。結局、同機は大統領一家が搭乗しないまま出発した。
大統領一家はその後、午後9時20分発のエティハド航空便に搭乗しようとしたが、やはり出国審査の行列に並ばなかったために搭乗できなかった。
この間、一家は近くの空港ラウンジで、一般乗客に交じって行列に並ぶことなく搭乗できるという確認を待っていたという。
経済危機に陥ったスリランカでは何カ月も前から抗議デモが続き、ラジャパクサ大統領は9日に辞意を表明。13日に正式辞任を予定していた。