(CNN) 豪カンタス航空が2025年就航を目指している豪シドニーと英ロンドンまたは米ニューヨークを結ぶ直行便は、約20時間の超長距離フライトだ。エコノミークラスで飛ぶとしたらどんな乗り心地になるか、CNNの航空専門記者が予想を立ててみた。
カンタスの発表によると、「プロジェクト・サンライズ」と名付けられたこの路線に使われるのは、エアバスA350―1000型の12機。座席数はファーストクラスの6席に対し、エコノミークラスは140席とする。
ファーストクラスについては、ひじ掛け付きのゆったりとした座席に最高級のワイン、グループで向かい合って楽しめるシェフの特別メニュー、乗務員によるベッドメーキングなどのサービスが予告されているのに対し、エコノミーに関する情報公開はまだない。
ただし、機内の厨房付近に「ウェルビーイング・ゾーン」として、ストレッチやヨガのポーズ、あるいはただしばらく立っていたい時に使えるスペースを設ける計画は進んでいる。
もちろん映画やテレビ番組は豊富にそろい、新型の機内用大画面で鑑賞することができる。長距離飛行中の健康状態に配慮した特別な食べ物、飲み物も用意される。
専門家によると、カンタスはプロジェクト・サンライズでファーストクラスの設備に力を入れてきたが、エコノミークラスの座席配置などに大きな変化はあまり期待できない。
就航を3年後に控え、現時点で何も公表されていないことを考えると、通常の座席が使われるのはほぼ間違いないだろう。
座席の快適さについては、独レカロ、コリンズ・エアロスペースなどのメーカーが近年、素材やリクライニング角度、足置き台などの改善を重ねてきた。16年にカンタスのボーイング787ドリームライナーで座席を手掛けたレカロが、今回また特別バージョンを作っていても不思議はない。
座席の前後間隔は84センチと、16年のドリームライナーより2.5センチほど長くする計画が明らかになっている。足のスペースを確保するために、間隔をさらに89~91センチくらいまで伸ばす可能性もある。
現時点で1列の座席数は不明。カンタスのような大手は座席の幅を取って9席、格安航空は切り詰めて10席というのが従来の傾向だが、エアバスは客室内の壁を薄くして座席の幅を確保するという構想を進めている。これを受けていくつかの大手航空が今後、一部のA350型で1列を10席とする予定だ。
カンタスが発表しているエコノミーの座席数は140で、もし10席なら14列というきれいな数字になる。とはいえ、プロジェクト・サンライズのような超長距離フライトで1列10席を採用するかどうかは不透明だ。