ロシア占領のマリウポリ、生活は「中世に逆戻り」 市長顧問

破壊されたマリウポリの空撮画像/Andrey Borodulin/AFP/Getty Images

2022.06.18 Sat posted at 15:00 JST

(CNN) 激戦の末にロシア軍が占領したウクライナ南東部マリウポリのアンドリュシチェンコ市長顧問は17日、市内の現在の生活環境などに触れ、「中世の時代に逆戻り」したと報告した。

ウクライナ国営テレビの取材に応じた。給水は市内の世帯の2~3%のみに届き、住民は衣類を路上の水たまりで洗っていると指摘。

伝染病が蔓延(まんえん)するリスクは日ごとに高まり、赤痢やコレラに似た症状を抱える市民が医者を訪れているとの情報もあるとした。

世界保健機関(WHO)は先月、同市でコレラが広がる危険性を警告。市内の衛生管理については相当に重大な危機に直面しているとの懸念を表明していた。

同市長顧問は市外に退避しているが、市内の信憑性(しんぴょうせい)が高い情報は入手出来ているという。

アンドリュシチェンコ氏は、ロシア軍は市内で「軍事キャンプ」を創設しつつあるとも説明。市外への脱出はロシアへ向かってだけ可能ともし、ウクライナが押さえる場所への移動は不可能とも断じた。

この中で残る住民に対し「(ロシアが絡む)公式な退避手段ではなく、自力での逃避を勧めている。それも早急にだ」ともした。

マリウポリ市内にあり、ウクライナ軍が抵抗する最後の拠点ともなっていた製鉄所アゾフスターリは約3カ月間の激戦を経て5月20日に陥落。この攻防はロシア侵攻に立ち向かうウクライナの象徴とも受け止められていた。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は16日、マリウポリでの戦闘に伴って死亡した民間人は子ども70人を含む少なくとも1348人と報告。バチェレ人権高等弁務官は実際の人数は数千人規模でより多い可能性があるとも補足していた。

これら犠牲者は空爆、戦車や砲門による砲撃、市街戦に絡む小火器などの攻撃によるものとした。また、市内にある民家や集合住宅ビルなどは最大で9割が損傷を受けたり、破壊されたりしたとも伝えた。

遺体は庭、路上、公園、放置された民家やアパートなどで間に合わせの個人用あるいは集団の墓地で見つかっており、多くは埋葬されていない状況にあるとも述べた。

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