340年前に沈没した英軍艦「HMSグロスター」を発見、未開封のワインボトルも

沈没した英軍艦「HMSグロスター」の大砲の長さを計測/Norfolk Historic Shipwrecks

2022.06.18 Sat posted at 12:34 JST

(CNN) 後の英イングランド王ジェームズ・スチュアートを含む約330人を乗せて1682年5月6日に座礁、沈没した軍艦「HMSグロスター」。それから340年の時を経て、イングランド沖に眠る同艦の沈没場所が初めて明らかになった。

HMSグロスターは沈没時に艦体の半分が海底に埋まっていた。乗船者の正式な名簿はないが、乗組員を含む130~250人が溺死(できし)したと推定されている。

スチュアートも危うく命を落とすところだったが難を逃れ、約3年後にイングランド王ジェームズ2世、スコットランド王ジェームズ7世として戴冠した。


オランダの画家が描いた「ヤーマス沖のグロスターの難破」/Royal Museums Greenwich/Wikimedia Commons

英イーストアングリア大のクレア・ジョウィット教授(英文学・歴史学)は声明で「沈没時の状況を踏まえると、これは軍艦メアリー・ローズの1982年の引き揚げ以来、最も重要な海事上の発見と言えるだろう」と述べた。

服や靴、航法装置、海軍の装備品などの遺物はすでに回収され、保存作業が行われた。ワインボトルも多数見つかり、その中には未開封のものもあった。

ジョージ・ワシントンの先祖の紋章が刻まれたワインボトル

ワインボトルの一つには米初代大統領ジョージ・ワシントンの先祖、レッグ家の紋章がガラスに刻まれている。この家紋のデザインは米国の星条旗に先駆けたものだ。

英ノリッジ城博物館・芸術ギャラリーでは来春、沈没艦から見つかった遺物などを展示する展覧会が開催される予定。

沈没艦の発見は先ごろ発表されたばかりだが、艦体自体は2007年に最初に発見されていた。どの艦か確認する作業や現場の保全に時間が必要なため、発表に遅れが生じたという。

今後はイングランドの史跡を管轄する英政府の公的機関、ヒストリック・イングランドが艦体の保全を行う方針。

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