(CNN) ロシア軍が今年3月に占領したウクライナの首都キーウ(キエフ)北郊の村落を撤収した際、校内を荒らした学校の黒板にウクライナ政府の施策の誤りをなじる字句を書き散らしていたことがこのほどわかった。
この村はカチュジャンカで、ロシア軍が1カ月以上占領し、ウクライナ軍の反攻を受け撤退していた。
退却後に学校の状況を調べたところ、盗まれずにいた備品は壊され、敷地内には間に合わせの墓地があり、サッカー場内の至る所には深い塹壕(ざんごう)が掘られていることなどが見つかった。
打ち壊された教室の一つでは歴史的な物理学者ニュートンの肖像画の下に据えられていた黒板に、生徒へ向けられた「ロシア人署名」とするチョークで記された字句があった。
「子どもたちよ。学校を救おうとしたのだが取り散らかしたことは申し訳ない。砲撃があったのだ」と記し、「体に気をつけて心穏やかに生きて欲しい。大人たちが犯した間違いを繰り返さないで」とつけ加え、「ウクライナとロシアは一つの民族。兄弟姉妹よ!」とむすんでいた。
これらの字句はロシア語で書かれ、校内の複数の黒板や白板に残されていたという。「全世界の平和に賛成する」との内容もあった。
CNNは字句を書いた当事者の身元は独自に把握していない。
同村の中学校校長は先月、CNNの取材に黒板などでのメッセージを見つけた際、嫌悪感を覚えたと説明。
ロシア人とウクライナ人は兄弟と言い募る一方で、学校の装備品を盗んだと主張。「コンピューターやプリンターなどを壊したり、奪ったりし、何も残さなかった」と憤った。野蛮な行為であり、偽善とも非難した。