移民をルワンダへ移送する英政府の計画、人権裁判所が直前で「待った」

移民をルワンダへ移送する計画に反対する抗議者=12日、英国クローリー近郊/Toby Melville/Reuters

2022.06.15 Wed posted at 15:15 JST

ロンドン(CNN) 亡命を求めて英国にたどり着いた人たちを東アフリカのルワンダに移送する英政府の計画をめぐり、14日に出発予定だった第1便が14日、欧州人権裁判所の介入によって直前で中止になった。

英PAメディア通信によると、移民は全員が同機から降ろされ、ルワンダ行きの便は同日予定していた出発を見合わせた。

英政府は今年4月、ルワンダとの間で協定が成立したと発表。亡命が認められた人はルワンダへの再定住が許されるとした。英政府はこの計画について、人身売買ネットワークを破壊するとともに、海峡を横断する危険な航海を思いとどまらせる効果もあると主張していた。

これに対して難民支援団体は移送を阻止するために法的措置を起こしていたが、ロンドンの控訴院は13日に訴えを退けた。支援団体によれば、数十人はチケットがキャンセルになり、14日午前までに移送が予定されていたのはわずか7人だった。

移民のルワンダ移送に反対する抗議者ら=12日、英ロンドン近郊のガトウィック空港

しかし同便の出発前夜、欧州人権裁判所は一連の判断を示し、英政府に対して移民の移送中止を命じた。

イラク国籍の人物に関する判断の中で欧州人権裁判所は、「継続中の司法審査手続きにおいて英国内で最終的な判断が示された後、3週間たつまでは移送してはならない」と英政府に命じた。

欧州人権裁判所は、この人物に関する英国内での法的手続きが全て終わったわけではなく、7月に英国の裁判所で審理が予定されていると指摘、それが終わるまでは移送してはならないとしている。

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