タリバン政権、女性キャスターに顔を覆うよう命令 アフガニスタン

トロニュースの女性プレゼンターとプロデューサーら/Jo Shelley/CNN

2022.05.20 Fri posted at 10:40 JST

アフガニスタン・カブール(CNN Business) アフガニスタンの大手独立系ニュース放送局「トロ」は19日、重苦しい朝を迎えた。イスラム主義組織タリバン政権の勧善懲悪省はこの前日、同局の女性キャスターに対し、放送中は顔を覆うよう命じた。

首都カブール中心部にある本社でCNNの取材に応じた女性キャスター2人は、話をしながら泣き崩れた。

「彼らは女性を画面から排除したがっている。教育を受けた女性を恐れている」。5カ月前から朝のニュースの司会を務めるカテラさん(27)はそう語る。「まず女子が学校に行く権利を奪い、今度はメディアに口を出してきた。全般的に女性の存在を望んでいないのは間違いない」


ニュースの司会を務めるカテラさん(27)/Jo Shelley/CNN

その日のニュースの内容について話し合う19日朝の編集会議に出席した約30人のうち、3分の1以上は女性だった。

クポルワク・サパイ局長は、命令を受けて閉鎖することも考えたが、女性スタッフにその意思があれば、顔を隠して司会を続けることを認められるべきだと考え直したという。

トロニュースの女性プレゼンターとプロデューサーら

タリバン政権下で女性キャスターは既に、スカーフで頭髪を隠すことを命じられていた。

同局はただでさえ困難に直面している。タリバンが実権を握ったことを受け、過去9カ月の間にスタッフの90%以上は出国した。


朝の編集会議/Jo Shelley/CNN

「どうすればいいのか分からない。私たちは仕事を遂行するために最後まで戦う用意があったのに、それが許されない」。ニュースキャスターのターミナさん(23)はそう言って涙ぐんだ。「これはやる気を失わせる精神的監獄だ。私たちには自由かつ公に画面に登場する動機がない」

かつてカメラの前に登場していた同僚のヘーラさんは、身の安全を恐れてプロデューサーとして働いている。

その不安には根拠がある。ジャーナリスト保護委員会によれば、アフガニスタンでは過去5年だけでジャーナリスト24人が殺害された。

タリバン、女性キャスターに顔を覆う命令 アフガニスタン

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。