(CNN) イランの環境当局によると、絶滅の危機に直面しているアジアチーターの三つ子の赤ちゃんが今月、首都テヘランの繁殖センターで誕生した。
イラン・チーター協会によれば、アジアチーターの飼育下での繁殖は初めて。母親の「イラン」が1日に帝王切開で出産し、三つ子は集中治療室に入った。
繁殖センターの獣医によると、このうち1頭は肺に形成不全と癒着がみられ、4日に死んだ。
三つ子は当初、すべて雌と発表されたが、その後の検査で雄だと判明した。
母親は2017年12月、生後8カ月の時に国内の民家で保護された。密輸業者に売買されるところだったとみられる。全国民からの繁殖への期待を込めてイランと名付けられ、昨年には国立公園に生息していた雄の「フィルーズ」と引き合わされた。
2頭の間では今年1月以降に計17回、交尾行動が確認されていた。
三つ子の誕生によって、イランに繁殖力があり、今後5年間ほど妊娠、出産を期待できることが分かった。
アジアチーターはかつて中東からロシアまで広い範囲に生息していたが、現在確認されているのはイランのみ。イラン・チーター協会によると、野生のアジアチーターは子どもを除くとわずか12頭しか残っていないとみられる。
アフリカのチーターとよく似ていて、どちらも最高時速128キロの速さで走ることができるが、アジアチーターのほうが色が薄く、毛並みが厚いという特徴がある。