外国旅行が復活も、日本や中国など人気観光地で受け入れ再開せず

日本の入国者の受け入れは依然対象外となっている/Adobe Stock

2022.04.28 Thu posted at 12:46 JST

(CNN) 新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)で途絶えていた海外旅行者が、世界各地で活気を取り戻し始めた。外国人観光客の受け入れを再開する国が多いなかで、日本や中国は今も再開の見通しが立っていない。

アジア・太平洋地域の観光省庁や旅行会社、空港など650団体が加盟する太平洋アジア観光協会(PATA)のリズ・オルティゲイラ最高経営責任者(CEO)は、シンガポールやマレーシア、タイ、オーストラリアなどの市場が回復の兆しを見せる一方、一部の主要市場では事実上の封鎖状態が続いていると指摘。地域全体をみると「非常に不均衡な回復状況」だと話す。

日本は今月10日から入国者の上限を1日1万人に引き上げるなど、厳格な入国制限をしだいに緩和しているものの、観光客は対象外だ。

現時点で入国できるのは日本人・永住者とその家族、研究者、学生、事前に入国許可を得たビジネス関係者に限られ、出発国によっては隔離が義務付けられる。

岸田首相は今月8日の記者会見で、観光客の受け入れについての質問に「今後も感染状況や国際的な各国の動きを見ながら適切に判断していかなければならない」と答え、再開の時期はまだ確定していないと述べた。

中国はパンデミック前、海外旅行客が世界一多い市場だった。しかし国民は現在、外国への渡航をできる限り避けるよう求められている。それでも渡航した場合、帰国時には少なくとも2週間の隔離が必要になる。

外国人観光客は入国できない。中国の疾病対策当局は昨年10月、今年初めまでに人口の85%以上がワクチン接種を完了した時点で国境を再開する方針を示していた。接種率はすでに目標に達したものの、今は複数の都市で感染拡大の抑制に苦心している状況で、近いうちに再開する可能性は極めて低い。


マカオのカジノはほとんどの海外旅行者の立ち入りを禁止している/Adobe Stock

マカオは中国本土、香港、台湾以外から訪れる観光客の入境を認めていない。入れたとしても、中国の一部の都市から来た場合を除き、2週間の隔離を命じられる。当局は今月中旬、近くビジネス関係者や学生の受け入れを再開するとの方針を示したが、詳細は発表されていない。

台湾には観光客はまだ入ることができない

一方、香港の当局は来月1日以降、約2年ぶりに非居住者の入境を許可する方針を明らかにしている。ただし7日間の隔離義務があり、発着便の欠航も日常茶飯事だ。

台湾は2カ月前から制限緩和を進めてきた。外国からのビジネス関係者は先月7日に受け入れが始まり、今月12日からは有効な居留証を持つ外国籍の親族を対象に訪問の申請を受け付けている。

このほか就労ビザ、学生ビザのある人、投資やビジネス、人道目的で渡航する人も受け入れているが、いずれも10日間の隔離が必要。観光客はまだ入ることができない。


サモアは海外観光客の受け入れ再開の時期をまだ発表していない/Martin Valigursky/Adobe Stock

観光業への依存度が高い太平洋の島ではフィジーを筆頭にタヒチ、パラオ、クック諸島などが観光客の受け入れを再開した。一方でサモア、バヌアツ、ミクロネシア連邦、トンガ、ソロモン諸島などの地域はまだ再開に至っていない。

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