(CNN) ウクライナの当局者は19日、包囲下の港湾都市マリウポリの郊外にある集団墓地とみられる場所の位置を特定した。これは米宇宙企業マクサー・テクノロジーズが収集、分析した衛星画像でも裏付けられている。
マリウポリのアンドリュシチェンコ市長顧問は21日のテレグラムへの投稿で、「死亡した住民が大量に埋められた場所を長い時間をかけて捜索・特定した結果、マンフシュ村で死者の整理と大量埋葬が行われた事実を立証した」と述べた。
アンドリュシチェンコ氏はテレグラムに位置情報を投稿、ロシア兵が長さ約30メートルの墓を複数掘ったとの見方を示した。マンフシュはマリウポリの西約19キロに位置する。
アンドリュシチェンコ氏は「遺体はトラックで運ばれてきて、盛り土の上に単に捨てられた」「戦争犯罪とそれを隠蔽(いんぺい)する試みの直接的な証拠だ」と指摘している。
一方、マクサーは19日、マンフシュの北西端に新しい墓地ができた証拠を示すとみられる衛星画像の分析を発表した。
マクサーは分析で「最近の報道によると、ロシア兵はマリウポリで殺害された人の遺体をこの場所に運んでいた」と指摘。「3月中旬から4月中旬にかけての衛星画像を調べた結果、新しい墓の拡張は3月23日~26日に始まり、ここ4週間にわたって続いたことが示された。墓は4カ所に直線的に並んでおり(各箇所の長さは約85メートル)、200以上の新しい墓が含まれている」という。
マリウポリのボイチェンコ市長も21日、ロシア軍がマンフシュの集団墓地に遺体を埋めたと主張した。ウクライナ当局は数週間に及んだ爆撃で2万人もの人が死亡したと主張している。
CNNはロシア兵がこの場所の集団墓地に遺体を処分したとの主張を独自に検証できていない。爆撃に数週間さらされたマリウポリでは、確固とした死者数の把握は不可能となる。ただ、現地のジャーナリストは民間人が急いで埋葬されたことを記録しており、SNS上の動画には後で収容するために放置されたとみられる遺体が映っている。