(CNN) 米国人女性が2年以上前、旅先で描いた絵とメッセージを添えて海に放ったボトルが、フランスの海岸に流れ着いた。大西洋を越えて新たな友情が育っている。
テネシー州在住のビクトリア・ケイさんは2020年1月、恋人のグレエムさんとの旅行でジョージア州のセントシモンズ島を訪れた。
海岸の林の風景が気に入って絵を描き、たまたま持っていたボトルに入れて海に投げた。「単なる思い付きだった。過去にやったこともなかった」と、ケイさんは振り返る。
ボトルの中に入れた海岸の林の水彩画/Courtesy Victoria Kay
絵の裏に新年のあいさつを書き、グレエムさんの提案でメールアドレスも添えておいた。
それから2年あまり。ボトルのことをすっかり忘れていた先月13日に、1通のメールが届いた。
仏北西部ブルターニュに住むマルティーヌ・ボスクさんから、犬の散歩中に海岸でボトルを見つけたという連絡だった。
世界にパンデミック(世界的大流行)の嵐が吹き荒れたこの2年間で、ボトルは6400キロも離れた大西洋の向こう側まで到達していた。
ケイさんは、もうすぐ90歳になるという父親からの教訓を思い出した。「人生で何か良いことが起きてほしいと思ったら、まず良いブーメランを投げなくては」という言葉だ。ボトルがそのブーメランだったに違いない。
ケイさんとボスクさんはそれ以来、英語のメールで連絡を取り合っている。2人の間には友情が芽生え、互いの家に招く話も持ち上がった。ケイさんは「フランスへ行くのは初めて。チケットを買わなくては」と、対面の日を待ちわびている。