(CNN) サッカー界の伝説的なスター、ディエゴ・マラドーナさんが1986年のワールドカップ(W杯)メキシコ大会準々決勝のイングランド戦で着用していたユニホームが競売にかけられることが7日までに分かった。この試合でマラドーナさんはいわゆる「神の手」によるゴールと相手守備陣5人を次々と抜き去って決めた「世紀の5人抜きゴール」の両方を記録している。ユニホームの落札価格は400万ポンド(約6億5000万円)を超えると推定される。
当該の青いユニホームは元イングランド代表のミッドフィルダー、スティーブ・ホッジさんが所有していた。ホッジさんは試合後にマラドーナさんとユニホームを交換した。試合は2―1でアルゼンチンが勝利した。
試合中、ホッジさんが意図せず浮かせたボールにマラドーナさんが反応したことで、有名な「神の手」ゴールが生まれていた。
「『神の手』ゴールはスポーツ史上においてのみならず、20世紀の歴史の中でも本当に唯一無二の瞬間だった」。オークションを手掛ける予定のサザビーズで、ストリートウェアなどの部門を統括するブラーム・ウェヒター氏はそう語る。
「ゴールが生まれたのはフォークランド紛争後間もない時期で、その影響はフットボール界をはるかに越えるものがあった。関連する書籍や映画、ドキュメンタリーが制作され、今やマラドーナはフットボール史上最高の選手として語り継がれている。そしてこの試合こそが、彼の伝説を作るのに一役買っている」(ウェヒター氏)
同氏は同じ試合でマラドーナが決めた5人抜きのゴールにも言及。「『世紀のゴール』は、個人技によって決めたものとしては史上最も偉大なゴールの一つと広く認識されている」と付け加えた。
試合に使用されたユニホームとしてこれまで競売で最も高い値が付いたのは、ベーブ・ルースが身に着けたヤンキースのユニホーム。落札価格は564万ドル(約7億円)だった。
マラドーナさんの当該のユニホームが競売にかけられるのは初めて。過去には英イングランド・マンチェスターにあるナショナル・フットボール・ミュージアムで展示されたことがある。
ホッジさんは、35年以上ユニホームを所有していたことを誇りに思うとし、「史上最も偉大で卓越したフットボール選手の一人と対戦できたのは全く名誉なことだった」と振り返った。
そのうえで、新たな所有者も世界的なシンボルとなっているユニホームを所有できることを大変誇らしく思うだろうと語った。
ユニホームの競売期間は今月20日から来月4日まで。期間中はロンドンのサザビーズで展示もされる予定だ。