(CNN) ダットン豪国防相は5日、オーストラリアが防衛用ミサイルの改修に向けて35億豪ドル(約3200億円)を支出すると明らかにした。アジア太平洋地域の安全保障環境が中国によって厳しさを増していることが背景にある。
今回の計画では、オーストラリアの艦船や戦闘機に搭載するミサイルの射程距離を大きく広げる。オーストラリアはまた、同国と米英の3カ国による安全保障協力の枠組み「AUKUS(オーカス)」を通じて、極超音速ミサイルの開発にも乗り出す。米英豪の3カ国は昨年、オーストラリアの原子力潜水艦導入に向けた協定を交わしていた。
ダットン氏は5日、スカイニュースの取材に対し、ウクライナで起きていることやインド太平洋での紛争の可能性があることを目撃すると、こうしたことはオーストラリアにとって非常に現実のことであり、どのようにあらゆる武力侵攻を阻止して自国の領域の平和を維持するのか現実的になる必要があると述べた。
国防省や政府の発表によれば、FA18やF35Aといった戦闘機で使用する米国産巡航ミサイルの「JASSM(ジャズム)―ER」をはじめ、フリゲート艦や駆逐艦に搭載するノルウェー産ミサイル「NSM」、港湾を守ったりするための機雷の獲得を加速させる。
国防省によれば、新しいミサイルは2024年までに運用が開始される見通し。
JASSM―ERは空中で発射するよう設計されており、ステルス性が高く、飛行中にコースを修正する能力を持つ。900キロ離れた目標を攻撃することができるという。
NSMは水面に近い高度で飛行し、185キロ離れた目標を攻撃できる。これは現在の艦船からのミサイル攻撃の範囲の2倍以上だという。