ノーベル賞受賞のロシア人ジャーナリスト、メダルを競売に 難民支援に寄付

ノーベル平和賞受賞者のドミトリー・ムラトフ氏/Odd Andersen/AFP/Getty Images

2022.03.23 Wed posted at 10:18 JST

ロンドン(CNN Business) 昨年のノーベル平和賞を受賞したロシア紙「ノーバヤ・ガゼータ」の編集長ドミトリー・ムラトフ氏が、そのメダルを競売にかけ、ウクライナ難民の支援団体に寄付すると表明した。

ムラトフ氏は22日、同紙のウェブサイトに声明を出し、ロシア侵攻後のウクライナで緊急の治療を必要としている子どもたちの姿を見て、メダルの売却を決めたと述べた。

声明ではさらに、停戦と捕虜交換、人道回廊の設置が必要だと訴えた。

同氏は昨年、フィリピンのジャーナリスト、マリア・レッサ氏とともに、表現の自由を守るための取り組みを評価されて平和賞を受賞した。

ノーベル平和賞の授賞式でメダルを受け取ったドミトリー・ムラトフ氏=2021年12月10日、ノルウェー・オスロ

1993年にノーバヤ・ガゼータの創刊に参加し、95年から編集長を務めてきた。同紙は当初からロシア政府に批判的な立場を取り、汚職の実態や軍の活動を伝えてきた。

ロシア当局はウクライナ侵攻にともない、報道機関の締め付けを強めている。議会では今月、軍を批判したり対ロ制裁を呼び掛けたりする「偽情報」が非合法化された。これを受けて一部の報道機関が閉鎖に追い込まれたり、ジャーナリストらが国外へ脱出したりしている。

ノーバヤ・ガゼータは今月初め、当局の取り締まりを受けて、ウクライナ侵攻の記事をサイトから削除したと発表していた。

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