ウクライナ大統領、米連邦議会で演説 米国の歴史に触れて支援求める

米連邦議会でオンライン形式の演説を行ウクライナのゼレンスキー大統領=16日、米首都ワシントンにある連邦議会のビジターセンター/DREW ANGERER/AFP/POOL/Getty Images

2022.03.17 Thu posted at 11:04 JST

(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、米連邦議会でオンライン形式の演説を行い、真珠湾攻撃や米同時多発テロといった米国の歴史にも触れ、今すぐに米国からの支援が必要だと訴えた。

米国に対してはウクライナから、ロシアの侵攻に抵抗するなか、より多くの軍事的支援を求める声が強まっている。

ゼレンスキー氏は演説の最後、米国のバイデン大統領に情熱のこもったメッセージを送った。ゼレンスキー氏は「あなたは、あなたの偉大な国の指導者だ。わたしは、あなたが世界の指導者になることを望む。世界の指導者であることは、平和の指導者だ」と述べた。

バイデン氏はゼレンスキー氏の演説後、8億ドル規模の追加のウクライナ支援を発表した。

ゼレンスキー氏は議会での演説で、これまでに米国から受け取った支援についてバイデン氏に対して謝意を示した。ゼレンスキー氏はまた、より多くの支援を切望していると述べた。ゼレンスキー氏は特に、民間人の保護のために、改めて飛行禁止区域の設定を支援するよう呼び掛けたほか、自衛のための戦闘機の提供を求めた。

ゼレンスキー氏は演説の中で米国の惨事にも言及。ゼレンスキー氏は、友人である米国の人々が、ウクライナの現状を理解するための米国の歴史の1ページがあると指摘した。ゼレンスキー氏の演説は最初は通訳が入ったが、最後は英語での演説となった。

米連邦議会でオンライン形式の演説を行ウクライナのゼレンスキー大統領=16日、米首都ワシントンにある連邦議会のビジターセンター

「真珠湾を思い出してほしい。1941年12月7日の恐ろしい朝、空があなたたちを攻撃する飛行機で黒くなった。米同時多発テロを思い出してほしい。2001年の恐ろしい日、邪悪が米国の都市を戦場に変えようとした。そのとき、無辜(むこ)の人々が空から攻撃された。誰も予測していなかったように。そして、あなたがたはそれを防げなかった。我が国は同じことを経験している、毎日、まさに今この瞬間も」(ゼレンスキー氏)

ゼレンスキー氏の演説を受けて、米国がウクライナ支援に向けて、より多くのことができるのかどうか議員の中で新たな議論が生まれている。

ウクライナへの支援については党派を問わず支持が集まっているものの、多くの議員はロシアとの武力紛争にいかなる形であれ直接巻き込まれないように注意すべきだと考えている。

演説後、与野党からゼレンスキー氏に対して称賛の声が上がった。多くの議員がウクライナの安全確保に向け、より多くの取り組みを行うことで合意しているものの、大部分は飛行禁止区域の設定を求めるには至っていない。

ゼレンスキー氏は演説の中で、「人々を救うためにウクライナ上空に飛行禁止区域を設定することは無理な注文だろうか」と指摘。ウクライナの空を守る必要があると訴えていた。

ウクライナ大統領、米連邦議会で演説

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