(CNN) 昨年1月6日の米連邦議会議事堂襲撃事件に対応し9日後に自殺した警官の妻が、夫の死を殉職と認定するように求める数カ月にわたる闘争に勝利した。
CNNが独占入手した書簡によると、コロンビア特別区首都警察の警察官・消防士退職救済委員会は、警官のジェフリー・スミスさんが「2021年1月6日に職務遂行中に傷害を負い、そのけがが彼の死の唯一かつ直接の原因となった」と認定した。
この裁定により、スミスさんの遺族は給付金を受け取ることができるようになる。
同委員会は今月9日夜、スミスさんの妻エリン・スミスさんに対し、遺族給付を拒否した前回の決定を取り消し、亡き夫の給与と同額の年金を認める命令を出した。
エリンさんは昨年、夫の自殺を殉職と認定するよう退職救済委員会に申し立てていた。
エリンさんの弁護士デービッド・P・ウェーバー氏は、1月6日にスミスさんが暴徒に襲われ、金属棒で頭を殴られる様子を映したビデオを証拠として委員会に提出した。
スミスさんは暴動の9日後、バージニア州の自宅を出て車で出勤中に頭を銃で撃ち、死亡した。その日は、暴動で負ったけがと精神的トラウマの治療を経て仕事に復帰する初日だった。
法廷会計学を専門とするソールズベリー大学の教授でもあるウェーバー氏は、「これは最初から法医学的な死亡調査だった。当初は、スミス警官に何が起こったのかわからなかった。私たちは、ジェフが1月6日に外傷性脳損傷を負っていたことを証明するために、解剖、専門家証人、ボディーカメラの映像、連邦政府の召喚状から証拠を集めた」と語った。
ウェーバー氏は昨年CNNに「実際の死因は銃弾かもしれないが、一連の出来事は1月6日に動き出し、その連鎖は続いていた」と語った。
スミスさんの家族は今、スミスさんの死が1月6日に負ったけがが原因であるとの認定を退職救済委員会から得た。ウェーバー氏によると、この認定により、エリスさんは医療給付を受けることができるようになる。
首都警察の警官の自殺が業務中の死とされた前例はないとウェーバー氏は話した。
「スミス警官の未亡人は感慨深く思っている。というのも、今回の件が将来多くの家族を救うことになると知っているからだ」とウェーバー氏は語った。エリンさんは、殉職した英雄とその家族が受ける儀式と名誉を、今こそ夫に与えるよう求めているという。