パリに初のロープウェー計画 2025年開通へ

仏パリで初めてとなるロープウェーの建設計画が発表された/Courtesy Île-de-France Mobilités

2022.03.12 Sat posted at 14:00 JST

(CNN) フランスの首都パリに初めてのロープウェーを建設する計画が進んでいる。今年中に着工し、2025年に開通する見通しだ。

「カーブル1」と名付けられたロープウェーはパリ南東のバルドマルヌ県に建設される。郊外のビルヌーブ・サンジョルジュから地下鉄8号線のポワント・デュ・ラック駅の近くまで、全長4.5キロの空中を17分で走る。所要時間はバスで移動する場合の約半分に短縮される。

構想の実現可能性などを検討する調査が完了し、計画を主導するパリの建築事務所「アトリエ・シャール」がこのほど完成予想図を公開した。

総工費の予算は1億3200万ユーロ(約200億円)。

各ゴンドラは10人乗りで、ピークの時間帯には30秒に1台のペースで運行し、1日あたり約1万1000人の乗客を見込む。

フランス国内では西部ブレスト、南東部グルノーブルなどの都市に同じようなロープウェーが走っているが、パリではカーブル1が初の路線となる。

沿線に設けられる白い支柱は、周囲の風景に調和するようにデザインされている

起伏のある地形に適した交通手段として08年に初めて提案され、16年にパリとその郊外にまたがるイルドフランス地域圏とバルドマルヌ県の地元当局が計画を発表した。

同地域圏の交通当局は、開通後には毎日1万人を超える住民らが時間を節約し、快適に利用できるようになると強調している。

沿線に設けられる33本の白い支柱は、周囲の風景に調和するようにデザインされている。駅は全部で5カ所。どの建物も完全なバリアフリーにするため、平屋の設計になっている。

欧州の都市ではパリのほかにも、オランダのアムステルダムで昨年、アイ湾を渡って市中心部の西側と北部を結ぶ全長1.5キロのロープウェーの建設計画が承認された。

英ロンドンでは12年にテムズ川を渡るロープウェーが開通したものの乗客が増えず、まもなく期限切れになるスポンサーとの契約で何とか採算を取っているのが現状だ。

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