ウクライナ侵攻のロシア軍一部で士気衰退の兆候、米分析

ハリコフでの戦闘で損壊したロシア軍の軍用車両/Sergey Bobok/AFP/Getty Images

2022.03.03 Thu posted at 18:15 JST

(CNN) 米国防総省高官は3日までに、ウクライナに侵攻したロシア軍の内情に触れ、一部の部隊で士気が衰退している兆候がみられるとの判断を示した。

米国が独自に得た情報として、ウクライナ軍の抵抗の規模が予想していたものより激しいことが士気の落ち込みにつながったと指摘。

ウクライナ侵攻に動員されたロシア軍部隊の相当な人数が徴集兵で非常に若い男性で構成されており、「全員が明らかに十分な訓練や準備を受けず、戦闘任務に駆り出されることを知っていたわけではなかった」とも推測した。

ウクライナのゼレンスキー大統領も2日夜、ロシア軍部隊の士気は崩れているとの見方を表明。フェイスブックへの書き込みで、「ますます多くの占領者たちが槍(やり)や銃、戦車やヘリコプターで敵を駆逐する我々の前からロシアへ逃げ帰っている」と主張した。

「我が軍は敵を完全に打ち負かすべく全てのことをやっている。1週間で9000人のロシア人を殺害した」とも述べた。ただ、CNNはウクライナ側が推定するロシア軍の死者数の真偽を確認出来ていない。

ウクライナのゼレンスキー大統領もSNSでロシア軍の士気低下に言及した

一方、西側諸国の政府当局者は3日までに、ロシアは侵攻に踏み切った初日にウクライナの防空網を無力化することに失敗したと分析した。侵攻に伴って錬っていた軍事行動などの予定が大幅に遅れているとも述べた。

米国防総省高官は先月28日、ロシアは侵攻に備えてウクライナ周辺に待機させていた軍事力の約75%を既に投入したとみていた。侵攻作戦の成果が乏しいことはより無差別の攻撃を仕かけるリスクにつながるとの懸念も表明。首都キエフや東部ハリコフ市でのロケット弾攻撃や大口径の砲撃に言及した。

また、ロシアの作戦に触れ、強制併合したウクライナ・クリミア半島からの進軍もあったウクライナ南部では多少の進展があるものの、ほかの地域での戦果は多くないとみていると説明した。

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