ウクライナのチェルノブイリ原発、ロシア軍が掌握

チェルノブイリ原発の立ち入り禁止区域内部を歩くツアー客=2019年7月2日/Brendan Hoffman/Getty Images

2022.02.25 Fri posted at 07:38 JST

ウクライナ・キエフ/リビウ(CNN) ウクライナに侵攻したロシア軍が24日、北部のチェルノブイリ原子力発電所を掌握した。この地域を管理する当局が発表した。

立入禁止区域管理庁の広報官はCNNに「今朝(キエフの)オフィスに来たら、(チェルノブイリ原発の)管理者が立ち去ったとわかった。指示を与えたり守ったりする者が誰もいなかった」と述べた。

ゼレンスキー大統領は同日早く、ロシアがチェルノブイリ原発を掌握しようとしていると警告。「防衛する者が1986年の悲劇を繰り返さないように命をささげている」とツイートしていた。

ウクライナ外務省も大統領と同様の警告を発して、原子力災害の再発に懸念を示した。

チェルノブイリ原発の立ち入り禁止区域内部を歩くツアー客=2019年7月2日

86年4月26日に発生したチェルノブイリ原発4号機での爆発事故では30人以上が直後に死亡した。国際原子力機関(IAEA)や世界保健機関(WHO)によると、その後何年にもわたり放射線被害の症状から多くの人命が失われた。ウクライナ政府はこの地域から13万5000人あまりを避難させ、原発の周囲19マイル(約30キロ)を立ち入り禁止区域に設定した。

事故後数カ月で4号機を覆う石棺が建てられたが、老朽化にともない放射性物質の漏えいにつながっていた。

ロシア軍は24日未明からウクライナへの全面侵攻を開始。首都キエフ付近をミサイルで攻撃し、ロシアとの国境付近のハルキウには長距離砲を撃ち込んだ。侵攻は中部、東部に広がり、ロシア軍は3方から攻め入った。

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