ワシントン/リビウ(CNN) 米国がウクライナ政府に対し、最新の諜報(ちょうほう)ではロシアによる全面侵攻が間近に迫っていることが示されていると警告したことが分かった。事情に詳しいウクライナや欧米の当局者が明らかにした。
他国の指導者も攻撃が差し迫っていると警告するとともに、ロシア軍がウクライナ東部の親ロ派支配地域に入りつつあると指摘している。オーストラリアのモリソン首相は米東部時間22日夕の記者会見で、「ウクライナへの全面侵攻を完遂するためのロシアの準備はピークに達している」と述べた。
オーストラリアは英米など5カ国による機密情報共有の枠組み「ファイブ・アイズ」の参加国。モリソン氏は全面侵攻が「24時間以内に起きる可能性が高い」とも述べた。
また、23日午前には北大西洋条約機構(NATO)加盟国ラトビアのカリンシュ首相がCNNに対し、ロシアが「独立」を承認した分離派支配地域にロシア軍が入ったと明らかにした。その後、米国防総省もロシア軍が同地域に移動しているとの見方を示した。
カリンシュ首相は「私の持つ情報によると、プーチン氏は追加の部隊や戦車をドンバスの占領地に移動させている」と指摘。「どのような定義を取るにせよ、これは主権的領土を越えて隣国に進入することを意味する」と述べた。
ロシアが今週前半に2つの分離派支配地域を国家承認した後、新たにロシア軍が進入したということかと聞かれると、「その通りだ」とした。
米諜報に詳しい他の情報筋2人もCNNに対し、プーチン氏が両地域を国家承認して「平和維持部隊」の派遣を命じた後、ロシア軍が国境を越えてドンバス地方に入ったと確認した。最新の諜報に詳しい米高官によると、ロシアは1個約800人からなる主要な戦闘の組織形態である「大隊戦術グループ」を1~2個派遣したという。
CNNはドンバスにおける追加のロシア兵の存在を独自に確認していない。
複数の情報筋によると、米国の諜報に基づく警告はキエフ時間の22日午前にウクライナに伝えられた。ウクライナ当局高官は、この諜報の信ぴょう性は確認していないと説明。米国は以前にも同様の警告を発したが、実際には攻撃は発生しなかったと指摘した。
ラトビア首相、「ロシアがドンバス地域に部隊を移動」