クマ出没注意、230キロの巨体で28軒の民家に押し入る 米加州

重度の「過食症」状態で街路に出没しているという雄のクロクマ/Bear League

2022.02.19 Sat posted at 13:15 JST

(CNN) 米カリフォルニア州で、体重約230キロの雄のクロクマが街路に出没する事例が半年以上にわたり続き、住民らに不安が広がっている。

場所は同州サクラメントの東およそ160キロに位置するサウスレイクタホのタホキーズ地区。州魚類野生生物局(CDFW)の17日のブログ投稿によると、このクマは過去7カ月で広範囲の33の施設に損害を与えたほか、28軒の民家に押し入った。

幸運にもこれまでのところ、地区内の人やペットを直接襲ったことはないという。

地元警察には不安を訴える住民からの通報が相次いでいる。CDFWは、現時点でこのクマに関する報告が100件以上サウスレイクタホ警察に寄せられていると述べた。

CDFWの報道官はCNNの取材に答え、クマの出没事例を昨年の春から追跡していると説明。「事例は主に昨年の夏と秋に起きた。この時期クマは過食症の状態にあり、冬を生き抜くためカロリーを増やしていた」と述べた。

米国立公園局によると、過食症状態のクマは秋の間えさや水をほぼ休みなく取り続け、冬眠に備えるという。

現在のところ住民やペットが直接襲われる被害は出ていない

CDFWはこのクマについて、人間を恐れなくなっており、人間の近くにはえさがあるものと考えていると指摘。その巨体にものを言わせて家の玄関やガレージのドアを押し開け、家屋に浸入しているとした。

地域の安全を守る選択肢としては、クマを別の地域に移動させたり、施設に入れたりするなどの手段が考えられる。安楽死もその一つだが、クマの保護活動に取り組む団体「ベア・リーグ」は懸念を表明。責任者のアン・ブライアント氏はCNN提携局のKCRAの取材に対し、すでに州外にある理想的な保護区と連絡を取り、クマを受け入れる合意を得たと述べた。

ただCDFWは、クマの移動には多くの条件を満たす必要があり、クマが心の健康に悪影響を被る事態も起こり得ると指摘した。CDFWによれば、ベア・リーグは移動にかかる費用の全額負担を申し出ているという。

当該のクマを捕獲できた場合、CDFWは州外への移動が可能かどうか検証する予定だ。18日の時点でクマの現在位置は不明だが、数日前にはタホキーズ地区の街路を歩くのが目撃されているという。

CDFWは域内の住民に警戒を呼び掛けるとともに、食料品の貯蔵や廃棄を責任もって行うよう助言。クマがそれらのにおいにつられてやってくるためだとしている。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。