(CNN) ニュージーランドの科学者らがこのほど、孵化(ふか)したばかりのゾウギンザメを発見した。「謎に包まれた」この生物についての知見が得られるとしている。
当該のサメは、水深約1200メートルの海底で見つかった。場所は南島の東部沖に位置するチャタム海膨と呼ばれる地点。
国立水・大気圏研究所(NIWA)は15日の発表で、今回の「極めて希少な」発見について、最近実施した調査によるものだと述べた。
サメの保護団体「シャーク・トラスト」によれば、ゾウギンザメは科学的にはギンザメ目の仲間として知られる。他にもラットフィッシュ、スプークフィッシュ、ラビットフィッシュなどの名称があり、サメやエイの近縁種に当たる。
これらは軟骨魚類で、海底に産みつけられた卵嚢(らんのう)の中で胚(はい)が育つ。孵化するまでは卵黄を栄養源として過ごす。
今回の発見に携わった魚類学者のブリット・フィヌッチ氏は「このゾウギンザメは孵化したばかりだと分かる。卵黄で腹部がパンパンになっているから」と説明した。
また深海で見つかるゾウギンザメは成体がほとんどで、生まれたばかりの稚魚については知見が極めて少ないと付け加えた。
発見されたゾウギンザメの正確な種類は現時点で不明。フィヌッチ氏は今後複数の検査や遺伝子の分析が必要になると語った。
同氏によると他のギンザメ目の場合、幼体が食べるえさや生息場所の条件は成体のものと異なる。見た目も同じではなく、独特の体色パターンを持つという。