英アンドルー王子、性的虐待訴訟の原告女性と和解

英アンドルー王子(左)、バージニア・ジュフリー氏(中央)、ギレーヌ・マクスウェル被告(右)/ Florida Southern District Court

2022.02.16 Wed posted at 16:15 JST

(CNN) 英エリザベス女王の次男、アンドルー王子が訴えられていた性的虐待訴訟で、アンドルー王子と原告の米国人女性バージニア・ジュフリー氏が裁判外の和解で合意した。15日に原告弁護士が提出した裁判書類から明らかとなった。

裁判官に宛てた手紙によれば、両者は30日以内に訴訟の取り下げ条項を提出する予定。和解の金額は非公開。

手紙には「アンドルー王子は被害者の権利を支援するジュフリー氏の慈善団体に多額の寄付を行う意向だ。ジュフリー氏の人格を傷つける意図はなく、彼女が虐待の確定した被害者として、また不公正な公の場での攻撃を受けた結果、苦しんだことを受け入れる」との記述があった。

この民事訴訟は米富豪、故ジェフリー・エプスタイン元被告に対する性犯罪被害の訴えから派生したものだった。

手紙には「ジェフリー・エプスタインが数えきれない若い女性を何年にもわたり利用していたことが知られている」「アンドルー王子はエプスタインとの関係を後悔し、ジュフリー氏や他の被害者が立ち上がった勇気を称賛する」との記述もあった。

ジュフリー氏はエプスタイン元被告に利用され、アンドルー王子を含む元被告の友人との性行為を強要されたと主張。アンドルー王子はジュフリー氏が未成年であることに気づいていたとも訴え、バージン諸島にある元被告所有の島やマンハッタンの邸宅、元被告の恋人だったギレーヌ・マクスウェル被告のロンドンの自宅でアンドルー王子から性的虐待を受けたと述べていた。

英アンドルー王子(左)、バージニア・ジュフリー氏(中央)、ギレーヌ・マクスウェル被告(右)

アンドルー王子はこうした虐待を繰り返し否定してきた。

ジュフリー氏はニューヨーク州が2019年に制定した、児童性的虐待事件での時効を延長する法律に基づき提訴した。先月には判事が訴え却下の申し立てを退け、アンドルー王子の宣誓供述が来月10日に予定されていた。

長引く性的虐待の訴えを受けて、アンドルー王子は19年後半に公務から退いた。先月の裁判所の判断を受け、軍の肩書などもはく奪されていた。

英バッキンガム宮殿は、和解はアンドルー王子とその弁護団の問題だとして、王室として和解へのコメントはしないと述べた。

ジュフリー氏の弁護士は、同氏が和解を「非常に喜んでいる」と発表。弁護士も「法が最も弱き者に正義をもたらす」との信念で行動し、実を結んだと語った。

エプスタイン元被告は州の買春罪で08年に罪を認め、19年には連邦の性的人身売買容疑で起訴された。だが、事実審理に入る前に拘置施設内で自殺した。

元恋人のマクスウェル被告は20年に逮捕され、虐待のスキームを支援した容疑で訴追された。昨年12月に連邦裁判所で、未成年者の性的人身売買を含む5つの罪状で有罪評決を受けている。

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