仏ウクライナ首脳が会談、ロシアは緊張緩和に冷や水

フランスのマクロン大統領(左)とウクライナのゼレンスキー大統領(右)=8日、ウクライナ・キエフ/Thibault Camus/AFP/Getty Images

2022.02.09 Wed posted at 10:55 JST

(CNN) フランスのマクロン大統領は8日、ウクライナの首都キエフを訪問し、同国のゼレンスキー大統領と対ロシア危機に関する協議を行った。一方、ロシア政府は、マクロン氏が前日のプーチン大統領との会談で示した見解に「一致点」があったと指摘した。

ただしロシア政府は、両首脳がウクライナ国境の緊張緩和で合意したとの報道に対しては冷や水を浴びせた。ペスコフ大統領報道官は8日の会見で解決に向けた具体的な措置を明らかにせず、マクロン氏のシャトル外交に暗雲が漂う結果となった。

ロシアとウクライナの国境にはここ数カ月で数万人規模のロシア兵が集結しており、欧米の当局者から侵攻が差し迫った状況だと警告する声が上がっている。

マクロン氏はキエフで報道陣に対し、ロシア訪問で欧州大陸の安定性確保に向けた具体的な解決策が生まれたと説明。プーチン氏は自らが「緊張激化の原因になることはない」と述べたと明らかにした。

キエフに到着したフランスのマクロン大統領(右)とウクライナのゼレンスキー大統領(左)=8日

また、プーチン氏がウクライナとロシアの間で2015年に調印されたミンスク合意の尊重を約束したことも明らかにした。この合意はロシアによるクリミア半島併合とウクライナ東部紛争の発生後に調印されたものだが、両国に安定した平和が訪れるには至っていない。

プーチン氏はマクロン氏との7日の共同会見で、ゼレンスキー氏にはミンスク合意を履行する必要があると明言。ウクライナを女性に見立てた下品な言い回しでゼレンスキー氏に履行を迫った。

ゼレンスキー氏は最近、ミンスク合意に関し、1点たりとも賛成できないと述べていた。同合意はウクライナに対しロシアの支援を受ける分離主義地域2つへの自治権付与を求める内容で、批判派からはロシアにウクライナ政治への影響力を与えかねないとの声が出ている。

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