シロナガスクジラの成体襲うシャチの群れ、捕食の現場を初観察 オーストラリア

シャチの群れがシロナガスクジラの成体に襲いかかって捕食する様子が記録された/CETREC

2022.02.08 Tue posted at 07:01 JST

(CNN) オーストラリアでシャチの群れがシロナガスクジラの成体に襲いかかって捕食する様子が初めて記録されたとして、研究チームが学術誌に研究結果を発表した。

この様子は2019年3月、西オーストラリア州沿岸のブレマー湾で目撃された。それとは別に、同じ海域で19年と21年にも、シロナガスクジラの子クジラがシャチに捕食された。

シャチがシロナガスクジラを襲って重傷を負わせた事例は過去にも報告されていたが、大人や子どものクジラが殺される事例はこれまで確認されていなかった。

別名「キラーホエール」とも呼ばれるシャチは、20分にわたってこの獲物を襲い続け、クジラは身を守ろうと尾を打ち付けていた。

  
      

大人のシロナガスクジラは19年3月、調査団が発見した時点で12~14頭のシャチに襲われていて、深い傷を負い、口先の骨が露出していた。傷跡から判断すると、背びれも大部分が食いちぎられていた。

調査団が発見してから1時間以内にクジラが死ぬと、死骸を餌にするシャチの数はさらに増え、合計で約50頭になった。調査団が現場を離れた時点でまだ30頭ほどが死骸を餌にし続けていた。

シャチによる捕食の際にアカアシミズナギドリなどの海鳥も集まってきた

その16日後には、シロナガスクジラの子どもが襲われている場面が目撃された。クジラの子どもは観察を始めてから15分で死んだ様子だった。

3回目の狩りは3時間近くに及び、目撃されたシャチは約50~70頭だった。

少なくとも16頭の同じシャチが、3回の襲撃全てに加わっていた。

この研究にかかわった鯨類研究センターの研究者によると、子育てに必要な餌を確保するため、メスのシャチの方がオスよりも最初にクジラに襲いかかることが多かった。

シロナガスクジラは地球最大の動物で、体重はゾウ約33頭に匹敵する33トンにもなる。

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