19歳のザラ・ラザフォードさん、単独世界一周飛行に成功 女性最年少記録

独での世界一周飛行に成功し、女性最年少記録を達成したザラ・ラザフォードさん(19)

2022.02.06 Sun posted at 17:30 JST

(CNN) ベルギーと英国の二重国籍を持つパイロット、ザラ・ラザフォードさん(19)がこのほど、単独での世界一周飛行に成功し、女性最年少記録を達成した。

ラザフォードさんは1月20日、飛行距離5万2000キロメートル、41カ国にわたる壮大な旅を終え、ベルギー西部の空港に帰還。空港で歓迎を受けたラザフォードさんは、記者団に対し、「私はやり遂げた」と語った。

ラザフォードさんは今回の旅を終え、ギネス世界記録に2つの記録が認定された。2017年に30歳で単独世界一周飛行を果たした米国人のシャスタ・ウェイズさんが持つ記録を破ったほか、超軽量航空機で世界一周をした初の女性というタイトルを獲得した。

また、ラザフォードさんは、単独飛行で世界一周を達成した初のベルギー人となった。

だが、旅は順風満帆ではなかったという。昨年8月18日、特注の超軽量小型機「シャーク」に搭乗し、ベルギーを出発。当初3カ月ほどで旅を終える計画だったが、ビザ(査証)や悪天候の影響により、アラスカとロシアでそれぞれ1カ月ほど足止めされ、予定が2カ月間遅れた。

ラザフォードさんは「一番大変だったのは、シベリア上空を飛行した時。地上は零下35度だった。もしエンジンが停止したら、救助まで何時間もかかるだろうし、どれぐらい生き延びられたか分からない」と振り返った。

また、旅の途中では多くの困難に直面した。シアトル地域で起きた山火事の影響により、カリフォルニア州レディングに予定外の着陸を余儀なくされたほか、中国上空の飛行許可を拒否された。昨年12月13日、ロシア・ウラジオストクから韓国ソウルの金浦国際空港に到着した際には、「クリスマスまでに旅を終えたいと願っていたが、無理だと思う」と記者団に語っていた。

昨年8月にベルギーを出発し、今年1月に世界一周を達成した

ラザフォードさんは現在、大学入学前などに社会活動体験をするための猶予期間「ギャップイヤー」を過ごしており、9月から大学でコンピューター工学を学ぶ予定だ。両親はともにパイロットで、ラザフォードさんは14歳から飛行機の操縦を学んできたが、初めて免許を取得したのは20年だった。

ラザフォードさんが今回、単独飛行に挑んだ目的の一つには、航空業界における女性の認知度を高めることがあった。

女性操縦士の支援団体「ISA」によると、世界のパイロットのうち女性パイロットの割合はわずか5.1%。ラザフォードさんは昨年、その事実に失望していると話していた。

ラザフォードさんはCNNに対し、「世界中を旅するために報酬を得るれっきとした職業であることを考えると、5%は非常に少ない数だ」と語った。

ラザフォードさんは2つの慈善団体を支援している。コンピューターサイエンス分野に進む若い女性を支援する「ガールズ・フー・コード」と、シャスタ・ウェイズさんが設立した非営利団体で、科学、技術、工学、数学(STEM)分野に進む女性や少女を支援する「ドリームズ・ソア」だ。

ラザフォードさんは、今回の旅が注目を集めることで、より多くの若い女性が航空業界への就職を考えるきっかけになればと願っている。

「口で言うのは簡単だが、とにかくやってみること。どれだけ高く飛べるかは、飛んでみないと分からない」(ラザフォードさん)

19歳で単独世界一周飛行に成功

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