植物の開花が1カ月早く、生態系への懸念も 英研究

気温の上昇により一部で植物の開花が早まっているとの研究結果が発表された/Dave Rushen/SOPA Images/LightRocket/Getty Images

2022.02.03 Thu posted at 07:03 JST

(CNN) 英国の一部地方で平年より暖かい天気が続くなか、同国内で植物の開花がかつてより平均1カ月も早まっているとする新たな研究結果が発表された。

ケンブリッジ大学のウルフ・ビュントゲン教授らのチームが、英森林保護団体ウッドランド・トラストに保管されている大規模なデータベース「ネイチャーズ・カレンダー」を基に、18世紀半ばから2019年までに400種を超える植物について観測された、計40万件あまりの記録を分析。その結果を生物学専門誌「英王立協会紀要B」に報告した。

ネイチャーズ・カレンダーには、市民からの報告やインターネット上で広く募った情報を中心に、1730年代以降の開花や渡り鳥などの観測データ350万件が記録されている。

ビュントゲン氏らのチームは英国内各地の樹木や野草の開花日を、位置や標高、都市部か農村部かによって分類した。

植物の開花が早くなると、それにつれて虫や鳥など周囲の生態系のバランスが崩れる可能性などが懸念されている

これを月ごとの気象データと照らし合わせたところ、開花の時期は平均で1カ月早まっていること、世界の気温上昇と強い相関関係があることが確認された。

世界の平均気温がこのまま上がり続ければ、春は毎年2月から始まるようになるかもしれないと、チームは指摘する。

ビュントゲン氏によれば、植物の開花が早くなると、それにつれて虫や鳥など周囲の生態系のバランスが崩れたり、農業に悪影響が及んだりする恐れがある。植物が「冬眠モード」から早く覚め、成長期に入った後で遅霜に見舞われた場合、果物などの農作物が全滅する被害も予想されるという。

英国以外でも、昨年3月には日本で桜の開花が1200年ぶりの早さを記録したり、2019年には米国を襲った熱波でヒマワリの開花が早まったりした例がある。

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