旅客機が強風と格闘、着陸時にあわや横転 英ヒースロー空港

着陸時に強風であおられ、横転しそうになるBA1307便。/Courtesy Big Jet TV

2022.02.02 Wed posted at 18:30 JST

(CNN) 暴風の吹き付ける英ロンドン・ヒースロー空港で、旅客機のパイロットが格段に困難な着陸を強いられる様子を映した動画がネット上に公開された。最終的に着陸には成功したものの、その前には機体が横転しそうになるほど傾き、後部が滑走路をこするような場面も見られた。

アバディーン発ロンドン行きのブリティッシュ・エアウェイズ(BA)1307便は1月31日、80分間のフライトの最後を大揺れの状況で締めくくることになった。

当時、ヒースロー空港に近づく機体は見た目にもわかるほど風にあおられ、車輪の一部が接地した後も姿勢が安定しなかった。そのまま横転しそうになるほど左側に大きく傾いた後、尾部を滑走路に打ちつけたようにも見えた。

パイロットは着陸を中断。安全に着陸し直すべく再び離陸した。

劇的な着陸の様子を撮影していたジェリー・ダイアーさんはCNNの取材に答え、「パイロットの技能がいかに高いかを示す出来事だった」と振り返った。

ヒースロー空港を定期的に訪れ、航空機の離着陸を撮影しては自身のユーチューブチャンネル「ビッグジェットTV」で配信しているダイアーさん。当該の着陸を目撃したのは、到着してからわずか数分後のことだった。

尾部が滑走路をこすったかに見える様子も撮影された

英国は風速約40メートルの暴風の影響で2人が死亡、多くの世帯が停電になるなどしていた。ダイアーさんによると空港での風速は推定約9メートルとそこまでひどくなかったものの、当時は2棟のビルの間で生じた突風が滑走路に吹き付けていたという。

フライト記録が示すところでは、機体は時速約225キロで地上に接近した後で急上昇。4分間で高度1173メートルに達した。

16分後の2度目の着陸は安全に行われた。機体の尾部が実際に滑走路に接触したのか、そう見えただけだったのかは確認されていない。

同機に乗り合わせていた国会議員のリチャード・トムソン氏はCNNに対し、パイロットの仕事ぶりと冷静さへの深い感謝を表明。極めて危険な事態になりかねない状況で見事に対処したと称賛した。

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