韓国ソウル(CNN) 北朝鮮が1月30日に発射したミサイルは中距離弾道ミサイルとみられることが分かった。韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は、北朝鮮のミサイル開発プログラムが進展し、さらに大型の弾道ミサイルの発射試験を行う可能性があるとの見方を示した。
日韓政府によれば、発射されたのは中距離弾道ミサイル。日本政府当局者によれば、今回のミサイルは高さ2000キロに到達し、朝鮮半島の東の沖合に落下するまでに800キロ飛行した。
英シンクタンク、国際戦略研究所(IISS)の防衛・軍事関連の分析を行うジョセフ・デンプシー研究員は「もし、このミサイルが通常の最高点で発射されれば、届く距離は最大3500キロから5500キロで、中距離弾道ミサイルということになり、北朝鮮にとって2017年以来、最も距離の長い試射だった」と述べた。
米当局者によれば、米国の分析でも今回の発射は「火星12」として知られる中距離弾道ミサイルだったとみられている。
中距離弾道ミサイルは太平洋にある米国のグアム島を攻撃できる可能性がある。
1月30日のミサイル発射は、北朝鮮政府にとって今年6回目の弾道ミサイル発射であり、ミサイル発射全体では7回目となる。
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)政権は今年に入り、ミサイルの発射試験を加速させている。北朝鮮メディアは、北朝鮮は米国に対する防衛力を強化し、「一時的に中断している活動の再開」を検討していると伝えている。
IISSのデンプシー氏は今回のミサイル発射は北朝鮮がまさにそのことを実行している可能性があると指摘する。
デンプシー氏によれば、北朝鮮は18年に長距離ミサイル試射や核実験についてモラトリアム(一時停止)を自主的に実施し、ミサイルの試射を短距離や中距離に制限してきた。
米当局者は、最近のミサイル発射試験について、金総書記が北朝鮮の持つ兵器類を試したいと望んだもので、米政府がどうみるかは気にしていないとの見方を示した。
韓国の文大統領は30日、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射や核実験に対するモラトリアムの破棄に近づいていると述べた。ICBMは理論上、米本土を攻撃できる。
文大統領は、北朝鮮が17年と似たパターンを示していると指摘した。北朝鮮は当時、中距離弾道ミサイルの発射試験を行い、その後、ICBMの発射に移っていた。