ニューヨーク(CNN Business) 米連邦準備制度理事会(FRB)は26日、金融政策について新たな発表を行い、政策金利を引き上げる用意ができつつあると表明した。ただ、今回は金利をゼロ付近に据え置いた。
FRBは声明で「インフレ率が2%を大幅に上回り、労働市場も力強いなか、連邦公開市場委員会(FOMC)はフェデラルファンド(FF)金利の引き上げが間もなく適切になると想定している」と述べた。
FRBのパウエル議長はその後の記者会見で、3月の利上げを想定するのが恐らく適切だと説明。「委員会は条件が適切なら、3月の会合でフェデラルファンド金利を引き上げる考えだ」と述べた。
パウエル氏は「インフレ率は年内に低下すると予想している」と述べた/Federal Reserve
投資家もこのタイミングでの利上げを予想している。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の「Fedウオッチ」によると、市場では3月の利上げを予測する見方がFRBの発表前後で90%弱から95%超に上昇した。
インフレ率は昨年末にかけて上昇を続けており、エコノミストからは今年の早い時期にサイクルのピークを迎えるとの見方が出ている。
FRBが重視する個人消費支出(PCE)物価指数は昨年11月までの1年間で5.7%上昇し、1982年7月以来の伸びとなった。パウエル氏は、物価高は固定収入や低収入の米国民にとって特に厳しい環境だとも述べている。
FRBは新型コロナウイルスの流行で米国経済が停滞した2020年3月、政策金利をゼロ付近に引き下げた。先月になって22年末までに複数回の利上げを実施する方針を示唆していた。
FRB、3月利上げ示唆