米が東欧での軍事行動案を作成、ロシアのウクライナ侵攻に備え

ルーマニアの空港に駐機する英空軍の戦闘機ユーロファイタータイフーン/Christophe Gateau/picture alliance/Getty Images

2022.01.22 Sat posted at 15:45 JST

(CNN) 米国防総省は21日、緊迫するウクライナ情勢に関連しロシアが侵攻に踏み切った場合、バイデン大統領の承認に委ねる軍事行動の一連の選択肢を取りまとめていることを明らかにした。

2人の同省当局者は、米国の同盟国に安心感を与えると共に抑止力の効果につながり、東欧における米軍の存在感を高める手段になり得るとした。

同当局者によると、これら選択肢には欧州内に既に配備したり、欧州外で手当てが出来たりする装備品や兵力の移動が含まれる。ロシア軍が侵攻したとなれば米軍や装備品の移動は間違いなく実施されるだろうともした。

一部の部隊は演習や訓練の形式で動員される可能性もあると指摘。兵力の新たな展開とは別に、兵器提供も考慮されるだろうとした。また、これらの選択肢は制裁策で補完され得るともした。

米軍の軍事的な目標は、北大西洋条約機構(NATO)加盟の欧州の同盟国が求めている能力を満たすこととも説明。米軍部隊は欧州で現状に従い単独で行動するであろうが、NATOの指揮系統の下に入り、作戦遂行に当たる可能性もあるとした。

米軍特殊部隊はウクライナ内で同国特殊部隊の訓練支援に従事しているが、この任務は維持するとも述べた。

クリミア半島の幹線道路を走行するロシア軍の走行車両の車列

一方、ロシア外務省は21日、NATOの一員であるブルガリアとルーマニアが抱える外国部隊の完全撤収を米国とNATOに改めて要求した。ロシアの立場は極めて明白で、あいまいな解釈が入り込む余地はないと主張した。

「我々は1997年にはNATOの加盟国ではなかった諸国が同年時の状況に戻る外国部隊の撤退について話している。これらの国にはブルガリアとルーマニアが含まれる」と述べた。

ブルガリアとルーマニアはロシアの勢力圏に近い黒海に面する。ルーマニアはウクライナと国境を接してもいる。

ウクライナ情勢に関連してオランダ国防相は20日、ブルガリアへ最新型戦闘機F35機2機と整備要員らを派遣する方針を国会で表明。ロシア軍によるウクライナ国境周辺での兵力集結を受け、NATOの防衛力や関連地域での抑止力を向上させるための手段とした。派遣は4~5月を見込み、NATOへ水陸両用輸送船も提供したと述べた。

スペイン国防相もブルガリアへ戦闘機を、黒海へ戦闘艦船を送リ込む計画を示した。

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