(CNN) オランダでこのほど、全長80メートルのスーパーヨット(大型クルーザー)が造船所から港に運ばれる途中、橋のわずか12センチ下を通過する場面があった。巨大船が狭い運河を進む珍しい光景に、大勢の見物人が集まった。
同船の名称は「ギャラクティカ」。以前は「プロジェクト・コスモス」と呼ばれていた。今月に初航海が実施され、その様子を撮影するために写真家が帯同した。
一連の写真には、スーパーヨットがオランダ南部オスにあるヒーセン社の造船所から、北海のハーリンゲン港へ慎重に運ばれる様子が写っている。同港で海上公試と艤装(ぎそう)が行われる予定。
4~5日間の移動中、専用タグボートにけん引された同船は狭い閘門(こうもん)や少なくとも6本の橋の下を通過した。
特に重要なのはタイミングだ。両側の隙間が15センチしかないマシャレンの閘門では、「穏やかな風のない日」(ヒーセン社)を待って通過を試みなければならなかった。
また水位が高すぎてマース川の橋の下を通過できず、いったん停止して、橋の下をぎりぎり通過できる水位に下がるまで待つ場面もあった。
ヒーセンの広報担当は「このサイズの豪華船が内陸をクルージングする際にはこれが標準的なやり方となる」「潮位が下がるのを待つのはいつものこと」と説明する。
ヒーセンによると、こうした運航には少なくとも3~4カ月の準備が必要で、事前にさまざまな許可や認証を入手したという。
ギャラクティカはビーチクラブや映画館に変形するヘリ甲板を備える。今月12日にハーリンゲン港に無事到着しており、間もなく海上公試が始まる予定だ。
高さぎりぎり、巨大スーパーヨットが橋の下を通過 オランダ