(CNN) 米マサチューセッツ州に住むアンジェリーナ・ゴンサルベスさんの元に先月、予想もしていなかった手紙が届いた。亡き夫が1945年、海外の派遣先から母親に宛てて書いた手紙だった。
当時22歳の陸軍兵だったジョン・ゴンサルベスさんは、駐留先のドイツから家族宛てに手紙を書き、もうすぐ帰国できそうだと母親に告げていた。
手紙の日付は、第2次世界大戦の終結から数カ月後の45年12月6日。この手紙が母親のもとに届くことはなかったが、76年と3日後に、米郵政公社(USPS)が妻の元に配達した。
アンジェリーナさんは12日、「読んでみると素晴らしかった」「本当にいい状態だった。私自身も驚いた」とCNNに語った。
ジョンさんがこの手紙を書いたのは、アンジェリーナさんと知り合う前だった。2人は53年に結婚して5人の息子が生まれ、ジョンさんは2015年に92歳で死去した。
母親に宛てた手紙の中でジョンさんは、駐留していたドイツ・バートオルプの食事のまずさや天気の悪さを訴え、太陽が出たのは1カ月で半日だけだとこぼしていた。手紙は家族への愛情の言葉で締めくくられ、封筒には6セントの切手が貼られていた。
息子のブライアン・ゴンサルベスさんは「父の言葉を読んで母の顔が明るくなるのは見ていてうれしかった」と話している。
手紙はジョン・ゴンサルベスさんから母に宛てられていた/Courtesy Brian Gonsalves
ジョンさんの手紙に添えられた郵政公社の説明によれば、この手紙は昨年、ピッツバーグにある郵政公社の配送センターで見つかった。職員は、家族の歴史を物語る兵士からの手紙の大切さを認識して、ジョンさんの親類を探し始めたという。
「あなたの夫が15年に亡くなったことを知りました」と郵政公社からの手紙には記されている。「同施設の郵便職員による献身的な探偵活動のおかげで、あなたの住所を探し当てることができ、この手紙を届けられました。76年遅れではありますが。この年代とあなたの家族の歴史にとっての重要性を考えると、この手紙の配達は私たちにとって最重要課題でした」
アンジェリーナさんが手紙を受け取ったのは、クリスマス前の12月9日だった。息子は素晴らしいクリスマスプレゼントだったと振り返り、「父がホリデーシーズンに帰って来たみたいだった」と話している。