米、ウクライナ危機めぐりロシアと協議 「率直な」会談も事態打開なし

シャーマン米国務副長官(左)とロシアのリャブコフ国務次官=10日、ジュネーブ/Denis Balibouse/AFP/Getty Images

2022.01.11 Tue posted at 07:57 JST

スイス・ジュネーブ(CNN) シャーマン米国務副長官は10日、ウクライナ情勢をめぐりロシアのリャブコフ外務次官と会談した。シャーマン氏は会談後、記者団に対し、ロシアに緊張緩和の用意があるかはまだ分からないと述べた。ロシアはウクライナ国境付近に大量の軍部隊を集結させており、侵攻の可能性が懸念されている。

今回の会談は今週予定される3回の二者間協議の初回となる。シャーマン氏は記者団に対し、協議は「ざっくばらんで率直」だったが、ロシア政府が外交に真剣かどうかを判断するのは時期尚早だと語った。

米国はロシアがウクライナ国境での緊張を緩和させる用意があるとの感触を得たかとの質問に、シャーマン氏は「それについては分からない」「外交を進める最善の策は緊張の低減と緩和だということをロシアが本当に理解しているかどうか、我々は今後の展開を見ていく」と述べた。

この日の協議はスイスのジュネーブで7時間あまりにわたって行われた。10万人以上のロシア兵が集結するウクライナ・ロシア国境付近では数カ月にわたって緊張が続いている。

ロシア・クラスノダール地域で訓練を行うロシア軍の戦車。ロシアはウクライナ国境に近い地域で軍事演習を行う

リャブコフ氏は会談後記者団に対し、ウクライナ国境での軍備増強に関して米国は懸念しているが、ロシアは軍事作戦に踏み切る意図はないと説明。「米国側に攻撃の計画はないと説明した」「兵士の戦闘訓練はすべて我が国の領土の内側で行われている。この点に関して事態激化のシナリオを懸念する理由はない」とした。

シャーマン氏によると、米国は緊張緩和の定義として、ロシアがウクライナ国境付近の兵士らを兵舎に戻すか、あるいは兵士らが行っている演習はどんな内容で何の目的があるのかを説明することを挙げている。ロシアは米国に対し、国境での軍集結は侵攻への前触れではないと伝えたという。

今後はベルギー首都ブリュッセルで12日に北大西洋条約機構(NATO)とロシアの会談、13日にオーストリア首都ウィーンでロシアと欧州安全保障協力機構(OSCE)の協議が行われる。

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