元従業員の給与、硬貨9万枚を自宅前山積みで「支払い」 業者訴えられる 米

雇用主が元従業員の自宅前に1セント硬貨9万1500枚を山積みした/Olivia Oxley

2022.01.10 Mon posted at 19:23 JST

ニューヨーク(CNN) 米ジョージア州の自動車修理業者が、元従業員の給与の未払い分として1セント硬貨200キロ分以上をこの従業員の自宅前に山積みにしたとして、米労働省に訴えを起こされている。

元従業員は、給与の未払いについて労働省に相談したところ、この業者から報復された。労働省は先月、この業者が労働法に違反したとして訴えを起こした。

訴えられたのはジョージア州ピーチツリーシティーで自動車修理店を営むマイルズ・ウォーカー氏。従業員だったアンドレアス・フラーテン氏の未払い分の給与として、オイルまみれの1セント硬貨9万1500枚をフラーテン氏の自宅の進入路に廃棄したとされる。硬貨の山には、誹謗(ひぼう)中傷のなぐり書きが添えられていた。

フラーテン氏は上司と言い争って自動車修理店を辞めた後、最後の給与915ドルが未払いになっているとして、昨年1月に労働省に相談した。ウォーカー氏はその翌日、労働省からの電話に対し、フラーテン氏に給与を払うつもりはないと告げていた。

しかしその後、「自分がどれだけ最低な人間かをあいつに分からせてやる」「1セント硬貨がたくさんあるからそれを使う」と言い放ったとされる。

ウォーカー氏は同年3月、フラーテン氏の自宅の進入路に1セント硬貨を廃棄した。

山積みの硬貨を運んだ手押し車はタイヤがパンクしたという

フラーテン氏の交際相手の女性が積み上げられた硬貨の動画をインスタグラムに投稿すると、やはり上司との関係に悩む人たちから憤りや同情のコメントが相次いだ。

フラーテン氏は、何時間もかかって硬貨を自宅のガレージに移し、手押し車のタイヤがパンクしたと話している。

労働省は、フラーテン氏を含む複数の従業員のために、未払い賃金および損害賠償として3万6971ドル(約428万円)を支払うよう求めている。調査の結果、ウォーカー氏と同店による報復行為や時間外労働法違反が判明し、同店が正確な賃金の記録を行っていたことも分かったとしている。

ウォーカー氏は地元メディアの取材に対し、「どうだっていい、払ってやったんだ」とまくし立てている。

元従業員の未払い給与、自宅前に硬貨山積みで「支払い」

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