警官のテーザー銃使用で消毒液浴びた男性が炎上、死亡 当局が捜査 米

消毒液を自らかぶった男性に警官がテーザー銃を使用したところ炎が上がった/New York Attorney General

2022.01.10 Mon posted at 11:55 JST

(CNN) 米ニューヨーク州で、手指消毒液を頭からかぶった男性に対して警官がテーザー銃を使用したところ、発火して炎上する事件があった。男性は負傷して病院に運ばれ、数週間後に死亡。この事件について捜査している司法当局は、当時の映像を公開した。

州司法当局が7日に公開した2本の動画のうち1本では、同州グリーン郡にあるキャッツキル警察署のロビーで、警官2人が1人の男性に対応していた。男性はジェイソン・ジョーンズさん(29)で、動画は2021年10月30日に撮影されたもの。

ジョーンズさんは興奮している様子で、ロビーを歩き回りながら着ていたセーターを脱ぎ、シャツを破り捨てて、ドアを開けようとした。間もなくもう1人の警官がロビーに現れ、警官3人とジョーンズさんが言葉を交わす姿が映っている。

2本目の動画では、ジョーンズさんがシャツを脱いだ姿のまま、手指消毒剤と思われる液体を自分の頭と身体に浴びせかけていた。警官の1人がテーザー銃を構えてジョーンズさんに近づき、発砲。ジョーンズさんは炎に包まれて床に倒れ、警官は全員がロビーから退避した。ジョーンズさんは炎上した状態のまま1人で取り残された。

約14秒後、警官の1人がジョーンズさんを助けに駆け付けた。ジョーンズさんは頭髪に火がついて燃え上がり、頭部は炎に包まれていた。約15分後、担架が搬入され、ジョーンズさんは車いすに乗せられてロビーから運び出された。

弁護士が7日にCNNに語ったところによると、ジョーンズさんは病院の集中治療室(ICU)に45日間入院した後、12月15日に死亡した。

事件が起きた当日、ジョーンズさんは警察署近くのバーで飲んでいたが、騒ぎが起きて警察がジョーンズさんをバーから退店させていたという。

ジョーンズさんはこの時の警官の対応が気に入らなかったことから警察署へ話をしに行ったと弁護士は説明、「ジェイソンは警察署のロビーにいた時、明らかに感情的問題を抱えていた」「誰かに危害を加えたり、脅したりしていたわけではなかった」と訴えている。

米疾病対策センター(CDC)によると、手指消毒剤の大半に含まれるエチルアルコールは、室温で簡単に蒸発する発火しやすい液体とされる。

手指消毒剤が発火する可能性は低いとCDCは説明しているが、今回の事件では警官がテーザー銃を使ったためにジョーンズさんが頭に浴びていた消毒剤が発火し、炎上したと思われる。

州司法長官事務所によると、事件については特別捜査局(OSI)が捜査しており、動画は市民への透明性を高めるために公開した。

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