デモ参加者数十人死亡、ロシア軍事同盟は鎮圧支援を開始 カザフスタン

燃料価格高騰に抗議するデモ参加者ら=5日、カザフスタン・アルマトイ/Abduaziz Madyarov/AFP/Getty Images

2022.01.07 Fri posted at 09:31 JST

(CNN) 燃料価格引き上げを機に全土に抗議活動が広がった中央アジア・カザフスタンで、最大都市アルマトイの警察当局者は6日、一連の衝突でデモ参加者数十人が死亡、数百人が負傷したと明らかにした。同国に派遣されたロシア主導の軍事同盟、集団安全保障条約機構(CSTO)はデモ鎮圧を支援する作戦を開始している。

国営テレビによると、アルマトイでは法執行当局者少なくとも13人が死亡し、負傷者は353人に上るという。

カザフスタン全土では混乱の結果、各地で1000人以上が負傷した。国営テレビによると、保健省の発表ではこのうち400人近くが病院に搬送され、62人が集中治療室に入っている。


警察の包囲網付近に集まるデモ参加者ら=5日、カザフスタン・アルマトイ/Vladimir Tretyakov/AP

暴力は6日も続き、治安部隊がデモ隊に発砲したとの情報があるほか、アルマトイの共和国広場付近では爆発音が聞こえた。ロシア国営タス通信が伝えた。

続くデモに対して治安部隊が動員された=6日

軍は拡声器を通じて人々に広場を離れるよう要求し、発砲すると警告。情報筋はタス通信に対し、広場から逃げる途中の人の話として、治安部隊がデモ隊に発砲して一部の人が倒れたと明らかにした。

今回のデモは強権的なトカエフ大統領の統治に対する過去最大の挑戦となる。人権団体によると、市民の怒りは当初、燃料価格の高騰に向けられていたが、汚職や生活水準、貧困、失業をめぐる幅広い不満に拡大した。カザフスタンは旧ソ連構成国で、豊富な石油資源を持つ。

トカエフ氏は5日、燃料価格高騰に抗議するデモが全土で数日続いたことを受け、ロシアやベラルーシ、アルメニア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタンなどで構成されるCSTOに支援を要請していた。

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