元血液検査ベンチャーCEO、投資家への詐欺で有罪評決 米

エリザベス・ホームズ被告(右から2番目)/CNN

2022.01.05 Wed posted at 19:49 JST

(CNN Business) 米カリフォルニア州サンノゼの連邦裁判所の陪審団は3日、破たんした血液検査ベンチャー「セラノス」の創業者で元最高経営責任者(CEO)のエリザベス・ホームズ被告(37)に対し、投資家をだました4件の罪で有罪評決を下した。

患者に対する詐欺3件やその共謀に関する1件では無罪となった。投資家に対する詐欺に関係する別の3件では評決が出ず、裁判官が評決不能を宣言する予定。

有罪となったのは投資家への詐欺の共謀1件、特定の投資家に関する通信詐欺3件。被告は最大20年の禁錮刑と25万ドル(約2900万円)の罰金を科され、各罪の賠償を求められる可能性がある。

検察官は評決の結果を称賛した。

事実審理(トライアル)は3カ月に及び、30人以上が証言台に立った。ホームズ被告自身も7日間にわたり防御のために証言した。

本件はシリコンバレーの起業家に対する詐欺罪での刑事裁判というまれなケースとなった。陪審団はホームズ被告がベンチャー立ち上げ時に過ちを犯した誠実な創業者か、または自身や会社の成功のために投資家や患者を意図的にだました人物なのか、判断を迫られた。

裁判所を出るホームズ被告=3日

ホームズ被告は2003年に19歳でセラノスを起業。すぐにスタンフォード大学を退学して事業に没頭した。10年間は目立った動きがなかったが、その後指から採取した数滴の血液からさまざまな体の状態が正確かつ確実にわかる技術を開発したとうたい、薬局チェーン大手ウォルグリーンとの提携にこぎつけた。

メディア王ルパード・マードック氏やオラクル創業者ラリー・エリソン氏など著名投資家から9億4500万ドルを調達。ピーク時にはセラノスの時価総額は90億ドルに達し、ホームズ被告は億万長者となった。

だが15年に米紙ウォールストリート・ジャーナルが、セラノス独自の血液検査装置を使って検査が行われたのは一部のみで、その正確性には疑問があると報道。同社が第三者の血液検査企業が作った装置に依拠していたとも指摘すると、成功のドミノは崩れ始めた。

16年、セラノスは2年分の血液検査結果を取り消した。18年には証券取引委員会と大がかりな詐欺容疑について和解をしたが、訴えについて認めることも否認することもしなかった。セラノスはその後破たんした。

ホームズ被告は18年に起訴されたが、新型コロナウイルスの流行や被告の出産に伴い裁判の進行が遅れていた。

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