ウェッブ望遠鏡、宇宙空間でサンシールドを展開 全長21メートル

完全に展開されたサンシールド。チームは本番1年前から試験を行った/Chris Gunn/NASA

2022.01.05 Wed posted at 13:02 JST

(CNN) 先月25日に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が1月4日、全長21メートルのサンシールド(日よけ)の展開に成功した。これは同望遠鏡が宇宙空間で適切に機能するのに必要な重要工程のひとつであり、成功を見届けたチームは大きな安堵(あんど)に包まれた。

NASA本部でプロジェクトの指揮を執るグレゴリー・ロビンソン氏はサンシールドの展開について、「ミッションの成功に不可欠な素晴らしい到達点」とコメント。完全に展開するには数千の部品が正確に機能する必要があったと説明した。

NASAよると、これはこれまでで最も困難な宇宙船の展開作業のひとつだという。

巨大な5層のサンシールドは、ウェッブ望遠鏡の巨大な鏡と計器を太陽熱から守る役割を果たす。設計通りに宇宙を観測するには、鏡と計器の両方をマイナス188度に保つ必要がある。5枚のシートはいずれも人間の髪ほどの薄さで、反射能力を持つ金属でコーティングされている。

組み立て中に鏡を調べる光学技術の専門家

ウェッブ望遠鏡の打ち上げ時、サンシールドはアリアン5ロケットの中に折りたたんだ状態で格納されていた。シールドを展開して張る8日間の作業が先月28日に始まり、米東部時間の今月4日午前11時59分に5枚目を設置し終えた。

ウェッブ望遠鏡は時間をさかのぼって観測を行う能力を持つ。赤外線観測機を駆使して他の方法では見えない宇宙の側面を明らかにし、かつてないほど深くまで宇宙を見通すことができる。


祭典「サウス・バイ・サウスウエスト」で公開されたウェッブ宇宙望遠鏡の実物大モデル=米テキサス州オースティン/Chris Gunn/NASA

同望遠鏡は宇宙をつくったビッグバン後の最初の光や、現在の宇宙を満たす銀河、恒星、惑星の形成など、宇宙史のあらゆる段階を観測する見通し。系外惑星の大気を観測したり、135億年前にできた初期銀河の発するかすかな信号を調べたりすることが可能だ。

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