(CNN) イスラエル保健省は4日、新型コロナウイルスとインフルエンザの両方に同時感染した患者が同国で初めて確認されたことを明らかにした。
患者はワクチン未接種の30代の妊婦で、12月30日にイスラエル中部ペタクチクバのベイリンソン病院を退院した。退院時の体調は全般的に良好だった。
同病院の医師によると、女性は新型コロナとインフルの両方に対処する医薬品を組み合わせた治療を受けた。主に新型コロナのワクチンもインフルエンザのワクチンも接種していない妊婦の間で、コロナの症例に加えてインフルエンザ感染が急増しているという。
新型コロナとインフルエンザに同時感染した状態を表す単語として、インフルエンザ(flu)とコロナ(corona)を組み合わせた「Flurona」という新語もつくられた。
イスラエル・ベングリオン大学公衆衛生校のナダブ・ダビドビッチ学部長は4日、CNNの取材に対し、「現在はインフルエンザの活動も新型コロナの活動も非常に活発なことから、両方に感染する可能性はある」と指摘。「それが普通になるとは思わないが、考慮する必要はある」とした。同氏は新型コロナウイルスに関するイスラエル国家諮問委員会の委員を務める。
新型コロナの世界的流行が始まった当初はロックダウン(都市封鎖)やマスク着用などの対策が徹底され、インフルエンザの症例は極めて少なかった。しかしそのために今年は感染しやすい状態にあり、経済活動も再開されていることから、症例数は増加が見込まれる。
ただ、基礎疾患がなく、インフルエンザと新型コロナの両方のワクチンを接種している人については、それほど重大な影響はなさそうだとダビドビッチ氏は予想している。