ロシア最高裁、人権団体「メモリアル」に解散命令

ロシア最高裁が、人権団体「メモリアル」に解散命令を出した/Natalia KolesnikovaAFP/Getty Images

2021.12.29 Wed posted at 15:00 JST

(CNN) ロシア最高裁は28日、旧ソ連時代の人権弾圧を検証してきたNGO「メモリアル・インターナショナル」に解散命令を出した。

同団体は、ロシア政府がスパイとして監視する「外国の代理人」に指定されていて、その活動を規制する法律に違反したと判断された。

SNSに投稿された動画には、裁判所の内部や入り口で抗議する支持者らの姿が映っている。人権NGOの「OVDインフォ」によると、裁判所前で7人が拘束された。このうち3人はメモリアルの支持者ではなく、扇動が目的だったとされる。

メモリアルの弁護士は解散命令が出たことを確認し、異議を申し立てる構えを示した。

ロシア検察は11月にメモリアル・インターナショナルの解散を要請していた。2016年に外国から資金を受け取っているとして「外国の代理人」に指定され、すべての出版物にこの指定を明記するよう義務付けられていたにもかかわらず、従わなかったことが理由とされた。

これに対してメモリアル側は、解散に法的根拠はないと主張。政府側の政治的動機を指摘してきた。

裁判所の外で撮影された法執行機関の要員と「メモリアル」の支持者の画像

国際人権NGO「アムネスティ・インターナショナル」は最高裁の判断を、旧ソ連時代の弾圧犠牲者に対する「重大な侮辱」と非難した。

米国務省の報道官も人権活動家らへの「連帯」を表明し、ロシア当局に締め付けを中止するよう求めた。

同団体の姉妹団体「メモリアル人権センター」も、テロや過激思想を正当化した罪に問われている。解散命令をめぐる次回の審理はモスクワ市裁判所(高裁に相当)で、29日に予定されている。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。