(CNN) 2022年に新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が収束し、各地で観光客の受け入れが再開しても、訪れることのできない名所が世界にいくつかある。改修工事中だったり、すでに長い歴史に幕を下ろしていたりと、理由はさまざまだ。
だが心配はいらない。その周辺などで代わりに楽しめる場所も、一緒に紹介しよう。
<米国編>
スミソニアン航空宇宙博物館(首都ワシントン)
現在、7年計画の全面改修工事中。一部の作業は来館者を受け入れながら進められたが、22年は次の段階に入るまでの少なくとも6カ月間、閉館する。改修後には、新たに約1400点分の展示スペースが増設される予定だ。
代替案:スミソニアン学術協会はワシントン市内でほかにもハーシュホーン博物館と彫刻の庭、国立アフリカ系米国人歴史文化博物館など、多数の博物館を運営している。しかも大半が徒歩圏内だ。
ハイク・ステアーズ(ハワイ・オアフ島)
ハイク・ステアーズの不法侵入者には最大1000ドルの罰金が科される/Adobe Stock
「天国への階段」とも呼ばれるオアフ島のハイキングコース。1980年代に一般市民の立ち入りが禁止されたものの、こっそり侵入するハイカーが後を絶たず、けがをするケースもあった。
ホノルル市議会ではこの秋、階段の撤去が全会一致で決まった。2022年中に撤去される見通しだ。
代替案:ハワイには美しく、もっと安全なハイキングコースがたくさんある。すでにオアフ島にいるなら、代わりにエフカイ・ピルボックス・ハイクというコースはどうだろう。
ルーズベルト・ホテル(ニューヨーク市)
マンハッタンにある老舗ホテルのひとつとして米ドラマ「マッドメン」の舞台にもなったが、創業100周年を間近に控えた20年に閉業した。
代替案:ニューヨーク市が再開したら、セントラルパークの向かい側に位置するプラザホテル、タイムズスクエアのザ・ニッカボッカなど、同じミッドタウン地区の老舗をチェックしよう。ルーズベルト・ホテルの建物もまだ残っている。
ワン・リバティ展望台(フィラデルフィア)
57階建ての観光名所だったが、パンデミック期間中にフィラデルフィアを訪れる人が激減したためとして、静かに閉鎖された。
代替案:「インスタ映え」する市内の眺望を楽しむなら、近くの市庁舎タワーに設けられた展望デッキがおすすめだ。
<欧州編>
スタルハイムスクレイバ(ノルウェー・ベストラン)
ナーロイ渓谷にあるユネスコ世界遺産の滝2つを結ぶ道。北欧でも指折りの急こう配と、ヘアピンカーブで知られる。22年には保全工事が予定されていて、再開の日程は不明だ。
代替案:ノルウェーにはほかにも景色の良い場所がたくさんある。候補としてはロフォーテン諸島のビーチや、手つかずの自然に囲まれたフレインベア島のキャビンが挙げられる。
マーブル・アーチ・マウンド(英ロンドン)
マーブル・アーチ・マウンドの入場料は現在無料/Dave Rushen/SOPA Images/LightRocket/Getty Images
21年7月に新たな観光名所としてオープン。緑豊かな高台でアート作品とハイドパークの眺望が楽しめるという触れ込みだったが、SNSでは「未完成のがれきの山」と酷評された。
いったん閉鎖されて8月に再開したが、22年1月には閉業することが決まっている。
代替案:ロンドン南部のグリニッジは天文台や帆船カティサーク号がある観光名所。グリニッジ公園から天文台へ向かう道からは市内の美しい眺めも楽しめる。
<アジア太平洋編>
フレーザー島(豪クイーンズランド州)
島自体がなくなるわけではなく、名前が変わった。新しい名前は「クガリ」。先住民バッチュラ族の言葉で「楽園」を意味する。
代替案:美しい島の自然に変わりはない。22年にはクイーンズランド州やオーストラリア全体が観光客の受け入れを段階的に再開する。今から旅行の計画を立て始めよう。代替案は必要なさそうだ。
黄色いかぼちゃ(日本・直島)
瀬戸内海に浮かぶ「アートの島」、直島のシンボルだった前衛芸術家・草間彌生さんのオブジェ「南瓜」が21年8月、台風で海に流された。島で芸術活動を展開するベネッセが割れたパーツを回収したものの、修復のめどは立っていない。
代替案:草間さんの立体作品はロンドンのテート・モダン、ロサンゼルスのザ・ブロードなど、世界各地の博物館やギャラリーに展示されている。東京にも草間彌生美術館がある。
ピークトラム(香港)
香港島の最高峰へ向かう観光鉄道。開業100周年の1989年に赤いアルミ製のケーブルカーが導入されたが、2021年6月から改修工事で運休中。再開の日程は確定していない。
代替案:山頂にはバスやタクシー、自家用車でも行けるし、ハイキングコースもいくつか整備されている。