(CNN) 南米チリで19日に行われた大統領選挙の決選投票で、右派候補のホセ・アントニオ・カスト氏(55)が敗北を認め、左派のガブリエル・ボリッチ氏(35)の勝利が確実になった。
元学生リーダーのボリッチ氏は、チリが1990年に民政に復帰して以来、最年少の大統領となる。
開票率99.95%の時点でボリッチ氏は55.87%の票を獲得し、カスト氏の44.13%を上回った。
カスト氏は19日夕、「ガブリエル・ボリッチと話をして、彼の偉大な勝利に祝意を伝えた」「今日から彼は選挙で選ばれたチリの大統領だ」とツイートした。
ピニェラ大統領も国営テレビでボリッチ候補の勝利を祝し、ボリッチ氏は次の大統領として最善を尽くすと表明した。
首都サンティアゴでは19日夕、ボリッチ氏支持者らが集まって横断幕や旗を振り、勝利を祝っている。
学生運動の指導者だったボリッチ氏は10年前、学校教育の私立化に反対してサンティアゴで数千人規模の抗議運動を展開した。
チリでは2年前の2019年10月、年金改革や教育改革、エリート層に有利な経済制度の改革を求める大規模デモや暴動が激化。ピニェラ大統領は、ピノチェト独裁政権時代から受け継がれた憲法の改正の是非を問う国民投票の実施を決め、投票の結果、圧倒的多数で憲法改正が支持された。新憲法については22年半ばごろに新たな国民投票が予定されている。